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京都のくらし・昔の知恵 京の夏のすまい方③ 納涼基礎知識

納 涼
夏の暑さは「炎暑」とよばれるように、昔からどのようにこれを凌げるか、いろいろな工夫がなされてきました。
緑陰や水辺に涼を求めて、平安の貴族たちは寝殿造の泉殿や釣殿で、池の面を吹く夕風のなかで釣りをし、夜に歌会や管弦の宴を催してこの暑さを忘れたと、『宇津保物語』や『源氏物語』に見えます。
また冬の間に氷を氷室(ひむろ)に貯蔵しておき、立夏の日に氷室開きをして、夏に氷を用いることも一つの納涼でしたが、これは限られた上流階級の人たちだけで、庶民には程遠い贅沢なものでした。
また、王朝時代の避暑地には緑陰と川とに恵まれていた宇治が避暑地として有名でした。
氷室は文献上『日本書紀』が初出で、次に奈良時代の「長屋王木簡」に「つげの氷室」、平安時代の『延喜式』にも氷室の記載があります。
そして6月の末には、「夏越の祓い」が行われます。
大宝元年(701)の大宝律令によって正式な宮中の年中行事に定められていますが、蒸し暑い夏、雑菌の繁殖し易いころに、新しい物に替える事で疫病を予防するという意味がありました。
いつしかその風習も途絶えますが、江戸時代になりその風習が復活して行われるようになります。
京都独特の風習として、夏越の祓のときに「水無月」という和菓子を食べます。この菓子は白の外郎生地に小豆を乗せ、三角形に包丁されたものです。
これは、前述の氷を食べて暑気払いする風習からであり、また、古代から、小豆は悪霊を祓うという意味あり、これが夏の暑さから身を守る暑気払いの菓子としてとなりました。
現在は、空調設備が整い、暑さもこれで凌ぐことができますが、やはり、古来からの風習を、今一度見直して、炎暑を凌ぐ工夫をしてみたいものです。

 

  • 登録者 京安心すまいセンター
    最終更新日 2017-07-11 14:29:25