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京都のくらし・昔の知恵~京の冬のすまい方④初詣基礎知識

【初詣】
 「初詣」(はつもうで)は、年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝することです。
 この習慣は古くからあるように思っている人が多いですが、実は案外新しい風習なのです。
 古来「年籠り」(としごもり)という、家長が祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に籠る風習がありました。
 また、元旦に「恵方詣 り」 (えほうまいり)というものがありました。
 「恵方」とは、その年の福徳を司る神である「歳徳神」(としとくじん)がいるとされる方角で、その方角に向かって事をおこなえば万事が吉となるという謂(いわ)れがあることから、その年の幸福への祈念が行なわれてきました。
 「年籠り」をせずに、単に寺社に「恵方詣り」だけをおこなうことが習慣化したのは明治中期のころで、氏神や恵方とは関係なく有名な寺社に参詣することが一般的になったのは明治末期と言われています。
 そのきっかけは意外で、鉄道の発展と関わりがあったようなのです。
 関西では、もともと「恵方詣り」は元日よりも「節分」に盛んに行われていました。しかし、鉄道会社の集客競争の中で「初詣」にも「恵方詣り」が持ち込まれるようになり、各社が競争の中で自社沿線の神社仏閣をめいめいに「恵方」であると宣伝し始めたため、「恵方」の意味は埋没していき、大正末期以降は「恵方」にこだわらない「初詣」が正月行事の代表として定着していきました。
 関東では、「恵方詣り」は東京の市内に限られていました。明治5年(1872)に東海道線が開通し「川崎大師」へ、明治18年(1885)には京成電鉄や京浜急行電鉄、成田鉄道(現・JR成田)など、参拝客輸送を目的に開業された鉄道会社も登場して成田山新勝寺など郊外・遠方の社寺へのアクセスも容易となり、競合する鉄道会社間では正月の参詣客を
誘引するために宣伝合戦とサービス競争が行われました。
 当初は鉄道による有名社寺への「恵方詣り」の利便性が押し出されていましたが、大正以後は「初詣」が主におこなわれるようになり、正月の「初詣」が定着していきました。

登録者 京安心すまいセンター
最終更新日 2015-02-10 11:29:57