結露の原因と対策

寒い冬の朝、起きたら結露で窓がびしょびしょに濡れていたことはありませんか?
雑巾で窓を拭いても、次の朝になるとまた水滴が溜まっていて、困ったことはありませんか?
結露はなぜ出来るのでしょうか。その原因と対策を考えます。

 

結露の原因

結露はこんな流れで発生します。

① 洗濯物を部屋干ししたり、料理、お風呂、ストーブやヒーターなどの暖房器具を使用することによって、室内に水蒸気が発生する

② 室外では、冷たい外気が窓を冷やす

③ 水蒸気を含んだ室内の暖かい空気が、冷やされた窓に触れ、その水蒸気が水に変わる

空気はそのときの温度によって、含むことができる水蒸気の量が異なります。
そして、暖かくなればなるほど、多くの水蒸気を含むことができるという性質を持っています。この量のことを、「飽和水蒸気量」と言います。

室内の水蒸気の割合、つまり湿度が高まり、室内と屋外の温度差が大きくなると、飽和水蒸気量を超えた余分な水蒸気が水滴に変わり、結露が発生してしまうのです。
冬になると窓が結露しやすいのも、暖房によって部屋が暖められ、外との気温差が出やすいからなのです。

 

住宅にもたらす影響

結露をそのままにしておくと、流れた水滴で窓枠の下や家具、室内にシミやカビが発生し、そのカビをエサに、ダニも発生してしまいます。
また、カビの胞子やダニの死骸が体内に入ると、アレルギー症状や喘息を引き起こす可能性があるため、特に抵抗力の弱い子どもや高齢者がいる場合は、注意が必要です。
さらに放置し続けると、建物にも悪影響を与えます。
壁の裏側や床下などに水分が溜まって内部結露した状態になるため、腐敗を引き起こし、そこにシロアリやカビが増殖して、建物の劣化が一層進みます。
結露が発生したら放置せず早めに対策に取り組みましょう。

 

結露の対策

結露による不具合は、発生してから対応すると、とても手間がかかります。
できれば結露が起こらないように対策を行いましょう。
結露が起こる原因を踏まえ、室内環境を整えることが大切です。
それでは、具体的な対策方法について考えましょう。

 

1.室内の湿度を下げる

(1) 1時間に1回は窓を開けて換気を行う
寒い時期は窓を閉め切ることが多いですが、1時間に2~3分ほど窓を開けて空気の入れ替えをしましょう。
特に、2箇所以上の窓を開けると、空気の通り道ができるので、効果的です。

(2) 換気扇を回す
結露の原因となる湿気を追い出すため、積極的に換気扇を回しましょう。
特に料理中や入浴中、洗濯物の室内干しをしている時など、湿気が発生しやすい状態のときには、必ず換気扇を付けるようにしましょう。

(3) 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
窓周辺に扇風機やサーキュレーターを向け、窓の近くに停滞する空気を循環させましょう。
窓付近の空気だけが冷やされるのを防ぎ結露を防止します。
また、部屋全体の空気もこれで循環するので、暖房効率を上げる効果も期待できます。
ただし、この時に窓の湿気をカーテンが吸うと、カーテンが濡れたり生乾きになるなどし、カビの原因になることがあるので、注意が必要です。

(4) 週1回は押し入れやクローゼットを開ける
押し入れやクローゼットを閉め切っていると、そこだけ湿度が高くなり、収納内部に結露ができることがあります。
収納場所も週1回、1時間を目安に扉を開けてしっかり換気をするように心がけましょう。

(5) 除湿機や除湿剤で除湿する
除湿機や除湿剤を使って、部屋の湿気を吸い取りましょう。
押し入れなど狭いところには除湿剤を、部屋全体には除湿機を使うなど、範囲によって使い分けましょう。

(6) 観葉植物や水槽は、換気扇近くやドア付近に置く
植物は光合成をしているので、常に水蒸気を発しています。また、水が張られた水槽も湿度を高めます。
これらを窓や壁際に配置すると、湿度が高まり、結露の原因になります。
水槽や観葉植物は、換気扇の近くやドア付近などの空気の入れ替えをしやすい場所に置きましょう。

 

2.室温を上げすぎない

室温を上げすぎると室内の気温と外の気温の差が大きくなるため、結露の原因になってしまいます。
暖房器具を使用する際は、必要以上に室温を上げないようにしましょう。
冬は室温が20℃前後になるよう調節するのがおすすめです。
そして暖房器具の中でも特に、石油ストーブやガスストーブは燃料を燃やす際に水蒸気を発生させるため、湿度が上がる原因になります。
エアコンや温風ヒーターなどの電気式の暖房器具が、結露対策にはおすすめです。

 

3.結露ができにくくなるアイテムを窓に貼る

(1) エアーキャップ(プチプチ)
梱包用のエアーキャップを、凸凹した面をガラス側に、平らな部分を室内に向けて窓全体に貼ると、窓の表面温度が下がりにくくなるため、結露を防ぐ効果を発揮します。
サッシ部分まで大胆に、重なり部分はテープを貼るなどして、なるべく隙間をなくしましょう。

(2) 断熱シート
断熱シートを窓に貼ると、エアーキャップと同じく断熱効果により結露を防止します。
夏場は冷房の効果を上げることも出来、耐久性もエアーキャップより高いため、快適な湿度が保てそうです。

(3) 結露給水テープ
結露した水滴が窓の下に溜まるのを防ぎたい場合は、結露給水テープを貼りましょう。
下に落ちてきた水滴を吸収してくれるため、カビが発生するのを防いでくれます。

(4) 新聞紙
結露給水テープがない場合は、寝る前に新聞紙を窓のレールに挟んでおくと、その新聞紙が結露を吸ってくれます。
また、新聞紙で窓掃除をすると、インクの成分が油汚れを分解し、ワックスのようにコーティングをしてくれます。

 

※ ただし、こういった対策を、部屋の一部だけに行うと、室内の空気の流れや湿気の発生場所が変わって、かえって他の場所に結露ができる可能性があります。
それぞれのアイテムの耐久性にも気を配り、室内を注意深く確認しながら、快適に過ごせるよう工夫しましょう。

 

4.食器用洗剤で拭き上げる

食器洗い用の中性洗剤には水を弾く成分が含まれているため、洗剤液であらかじめガラス面を拭きあげておけば、結露の発生を防ぐことができます。
ただ、効果はあまり長くないので、定期的にコーティングする必要があります。
コーティングする前にまずガラス面の汚れをきれいに拭き取り、おおよそ10倍から20倍の水で薄めた洗剤液で丁寧に拭き上げます。

 

5.窓をリフォームする

家の中でもっとも結露が発生しやすい場所は、何といってもサッシや窓ガラスです。
費用はかかりますが、結露対策として効果がもっとも高いのは、冷たい外気により冷やされる「窓の断熱性を上げる」ことです。
具体的な方法としては、①内窓取付、②外窓交換(=窓の入れ替え)、③カバー工法の3つがあります。
具体的な窓のリフォーム方法と効果については、下記のイベントレポートと動画をご参考ください。

 

★2021年2月6日 すまいスクール「すまいを守る結露対策~対処方法からリフォーム工事まで~」
<イベントレポート>
https://miyakoanshinsumai.com/report/report-48/
<講義映像>
・前編 : https://youtu.be/bvDGBkmltoM
・後編 : https://youtu.be/KPhmrWBsHLE

 

登録者京安心すまいセンター
最終更新日2024-11-30 13:00:17
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