賃貸住宅を借りる時の重要事項説明書とは?見るべきポイントは?

重要事項説明書とは

賃貸住宅を借りる時に不動産事業者からの仲介で賃貸借契約を結ぶ時は、宅地建物取引士が契約前に借主に対して物件や条件に関する一定の重要事項を分かりやすく説明をする重要事項説明が宅建業法で義務付けられています。重要事項説明書は、借主が誤った判断で契約することを防止する役割があります。

【重要事項説明書と賃貸契約書の違い】
重要事項説明書と賃貸契約書の違いは、それぞれを取り交わす目的が違います。
重要事項説明書は、賃貸契約を結ぶ前に、契約条件が問題ないか確認するための書類で、賃貸契約書は、物件の貸主や借主の間に、契約関係を成立させるための書類です。もし重要事項で説明された内容が納得できないことがあれば、無理に契約を進める必要はありません。一度立ち止まってよく検討しましょう。

【重要事項説明書の記載内容】
重要事項説明書に記載される主な内容は、次のようなものです。
①物件の表示(物件の所在・構造・面積等)
②登記記録に記載された事項(所有者の氏名・住所、抵当権等の有無等)
③設備の整備状況(台所、浴室、便所その他の設備等)
④土砂災害警戒区域等の内か否か、水害ハザードマップの有無
⑤石綿使用調査の内容及び耐震診断の内容
⑥契約の期間及び契約の更新に関する事項
⑦利用の制限に関する事項(使用目的、使用規則等)
⑧契約の解除、損害賠償の予定に関する事項(契約の解除予告期間等)
⑨契約の終了時における金銭の精算に関する事項(敷金等の精算)
⑩管理の委託先及び管理形態
⑪その他電気・ガス・水道・排水施設の設備状況、法令の制限等
※物件の状況や設備の整備状況等、説明を受けた内容は、現地で確認しておきましょう。

重要事項説明書で見るべきポイント

【インフラの整備状況】
主に、電気、ガス、水道、下水などがしっかり整っているか、特にガスについては、都市ガスかプロパンガスかなども細かく確認しておきましょう。

【備え付け設備の状況】
ガスコンロや照明の有無、エアコンの数など、賃貸住宅に備え付けられている設備はしっかり確認しておきましょう。もし入居後に備え付けの設備が説明と違う場合は、不動産会社にすぐ連絡し、設備を整えてもらいましょう。
また、設備が故障した際の対応も確認しておきたいポイントです。
もし前の入居者が置いていった設備がある場合は、そのまま使っても良いですが、故障した場合、貸主には修繕の義務はありません。不要な場合は処分してもらいましょう。

【更新・解約などの契約に関する内容】
更新や解約をする場合の連絡先やかかる費用なども把握しておきましょう。
更新が可能か、更新する際には更新料がかかるのかどうか※、契約の途中で解約する場合、連絡は何カ月前にすれば良いかなど、事前に契約書で確認しておきましょう。
※大家に払う更新料とは別に、更新時に不動産会社に支払う手数料等が明記されている場合もあります。

【管理の委託先】
物件を紹介してくれた不動産会社を建物管理の委託先と勘違いする場合も多いですが、実は、建物の管理は別の会社が行っていたり、大家さんが直接行う場合もあります。設備の故障など何かあった場合、連絡する管理の委託先や担当者の名前をしっかりと確認しておきましょう。

【敷金・家賃などのお金に関する内容】
重要事項説明書には、契約後に必要となる初期費用に関する内容が記載されています。家賃以外に必要となる費用や、その理由等も記載されていますので、不明な項目がある場合は、内容を確認しておきましょう。

【禁止事項】
楽器の使用やペットの飼育など、禁止されている事項は、物件によって異なります。集合住宅の場合、禁止事項がトラブルのもとになる可能性がありますので、注意が必要です。

【特約事項】
特に原状回復費用、敷金の返還を巡って、特約事項で借主に不利な条件が記載されていることがあります。例えば、経年劣化による汚れ等の修繕費用は通常、貸主の負担になりますが、全ての原状回復費用を借主が負担するように義務付けられる場合もありますので、注意が必要です。どのような費用が借主の負担で、どのような費用が貸主の負担なのかその基準については、国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』を確認するとよいでしょう。

電磁的方法による重要事項説明・書面交付の注意点

宅建業法等の改正により、令和4年5月18日から代理・媒介を行う宅建業者の重要事項説明書や宅建業法37条規定の書面の交付が、電子書面(改変が行われていないことを確認できる措置が講じられたExcelやPdf等)によって提供することが可能になりました。
電磁的方法による重要事項説明や電子書面による交付は、対面による説明・書類の交付に比べ、時間的・場所的な制約が少ない点で便利ですが、画面上で説明や内容確認が行われることから、確認漏れ・勘違い等が起きやすい懸念があります。
そのため契約書や重要事項説明書は、いったん紙に印刷して内容を確認した上で、説明を受けるようにしましょう。また、宅建業者から提供された重要事項説明や交付書面は、データのバックアップは2重、3重に行い、並行して紙に印刷したものも保存しておきましょう。

 

 

登録者京安心すまいセンター
最終更新日2024-03-15 8:45:02
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