京都 年末年始の過ごし方 ~年始の風景
年が明け、お正月のさまざまな決まり事をこなし、華やいだ気持ちや不思議な気ぜわしさが少し落ち着いた頃でしょうか。
大晦日にはおせち料理をこしらえて年越しそばをいただき、三が日はお雑煮とおせち料理を楽しんで、子どもたちにはお年玉。初詣に出かけたら、親戚のおうちへご挨拶。
そんな京都の年始の風景、今年はいくつご覧になりましたか?
そもそも、おせち料理が示すように、正月の三が日はご先祖様の霊やその歳の神様がお越しになるということで、神棚や仏壇にお供え物をし、家にこもる風習がありました。
ところが、明治時代に鉄道網が発達したことから、利用客が減るのは好ましくないと考えた鉄道各社が、その年の縁起の良い方角にある神社や寺に参る「恵方参り」をもとにしたキャンペーンを行い、これが初詣のもととなりました。
お参りは、自宅の近くにある土地神様、氏神様、ゆかりのあるところに伺うのがよいとされています。
また、関東地方では元旦から7日までに参るのがよいとされていますが、京都を含む関西地方では15日の小正月(こしょうがつ)までに参るのがよいそうです。
また、地方によって異なるお雑煮。
古くは「保臓(ほうぞう)」と書いたそうで、温かいものが貴重だった時代、おなかを温めて五臓を保養し、健康を保つものとされていました。
京都では白味噌に丸もちを入れた、ちょっと甘めのお雑煮が多いかと思いますが、「頭芋」はご存知でしょうか?
煮物でおなじみの里芋を栽培する際に、この里芋(子芋)を生らせるのがこの頭芋(親芋)です。
そのため、「人の頭となれるように」「たくさんの子孫に恵まれるように」という願いを込めていただきます。
こども達が喜ぶお年玉も、本来は新年を祝う贈り物だったそうで、子どもに限らず、その人にふさわしいものを贈る風習があったとか。
お正月に歳神さまをお迎えするため鏡餅を飾りますが、その餅玉をお下がりとしてこども達に食べさせたため、「年玉」という名前がついたという説もあるそうです。
京都の祇園では、芸舞妓さんがお茶屋さんやご贔屓のお客様から一年間のねぎらいとして、年末に「福玉」という縁起物を受け取る風習があり、これが芸舞妓さんたちへのお年玉にあたるそうです。
福玉は紅白の丸い玉で、中身には干支の置物や人形などが入っており、大晦日に除夜の鐘が鳴り終わってから割って開け、中身で新年の運気を占う風習もありました。
京都に花街は五つありますが、福玉はなぜか祇園だけに伝わる伝統的な文化なのだとか。他の花街の芸舞妓さんにも、プレゼントしてあげたいですね。
お正月気分が抜けた頃に迎えるのは、成人式。
京都市では左京区岡崎にある「みやこめっせ」で行われるのが定番ですが、もう一つ、東山区で行われる「三十三間堂の通し矢(とおしや)」にもぜひご注目を。
正式名称は「京都三十三間堂大的全国大会」という、立派な弓道の大会で、全国から優れた弓道者や新成人が集まり、その腕を競います。この三十三間堂は今の倍ほどの距離があり、江戸時代の武士たちが腕試しを行ったことが由来だそうです。
新成人の皆さんや有段者さんたちの鮮やかな装いもさることながら、身の引き締まるような一射ごとの表情は、京都の新春の風物詩にふさわしい凛々しさ、清々しさを感じられます。
成人式を終える頃には、小正月(こしょうがつ)を迎えます。
1月15日を挟む3日間を指し、正月飾りを燃やして歳神さまをお送りする「どんど焼き」や、平安時代から続く風習として、ごちそうで疲れた胃腸を休ませるための小豆粥をいただきます。
その頃には、もうすっかりお正月気分は抜けています。
アジア各国では旧暦で正月を祝う風習があり、大型の連休があるため、旅行者さんたちも戻ってきましたね。
元に戻った京都のまち。
今年も、あんじょうおきばりやす。
登録者 | 京安心すまいセンター |
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最終更新日 | 2025-01-17 14:20:03 |