空き家対策2.0 〜 活用から抑制へ 〜

空き家対策といえば、カフェにする・宿にする等々の「空き家活用」が今までの一般的な対策でした。しかし実際は、空き家は様々な問題を抱えており、その活用はプロでもお金と時間を費やす必要があり頭を悩まされることが多く、ましてや一般の方にとっては大変気の重いことです。

そこで今注目されているのは、空き家になってから活用することで空き家をなくす、より一歩先行く、空き家の発生を抑制する取組みです。

空き家活用を空き家対策1.0とすれば、空き家発生抑制はさしずめ空き家対策2.0といったところです。ちなみに「空き家対策2.0」という言葉があるわけではなく単なる造語です。ちょっと流行ればいいな、と個人的には思っていますが。

そんな戯言はさておき、空き家の発生を抑制することは個人の資産を守るという点からも大切なことです。さて、大切な資産を空き家にしないためにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?

  • 購入時にできること

問題となっている空き家にはいくつかのパターンがあります。郊外の実家、リゾート地の不動産、築年数の古いアパートなどです。いずれも所有者が何もせずに放っておいたことが原因です。都心部の不動産に比べ、例に挙げたような不動産はどのような方が買うか、借りるかを見極めた売却活動・賃貸募集をする必要があります。自身が居住・利用しなくなるタイミングは?その時はどうするか?そのような事を不動産のプロにあらかじめ相談しておけば「空き家にならない不動産」「空き家になっても処分しやすい不動産」を手にいれることができます。

  • 空き家になった時にできること

第一の解決策は「まず行動」です。所有者が施設に入所した、賃借人が退去したといった理由で空き家となってしまった住宅を、片付けが面倒だから、賃貸募集が手間だから、〇〇が片付いたら手をつけるから、と後回しにし、気がつけば数年経過してしまい、その間に部屋が汚れてしまったり修繕箇所が発生したりで、さらに市場に出すのが億劫になり空き家になってはや10年。そんな空き家が多数存在します。「来年になれば息子が大学を卒業してそこに住む」等の具体的な目処があればいいですが、なんとなく先延ばしするのは良くありません。放置している間に確実に建物は劣化、すなわち資産価値は毀損します。空き家になったら即行動することが大切です。

  • 今できること

空き家問題は相続と関係することが多くあります。相続が発生した際に、不動産をどのようにするかは所有者が健在なうちに決定しておくのが理想です。不動産には「自ら利用する」「貸す」「売る」の3つの選択肢しかありません。高値で売却できる物件はその取り分で、売却が困難な物件は誰が引き取るかで、すなわちどのような不動産も相続人の間で揉めることが考えられます。不動産は金融資産と違い換金すること、分割することが容易ではありません。不動産をお持ちの方は相続が起きた時のシミュレーションを、お元気なうちにしておかれることをお勧めします。

多くの不動産は処分・利活用に色々な選択肢があり、利用用途等によって収入が大きく変わります。空き家活用だけでなく、物件を売却・購入する際も「その選択肢で良いか?」についてプロの意見を参考にすることが大切です。単に売却活動を勧めてくるのではなくオーナー様の気持ちに寄り添って考えてくれる、そんな不動産事業者と出会えることが不動産で幸せになれる第一歩だと考えます。

 

(一社)京都府不動産コンサルティング協会 相続実務部会

一般社団法人 京都府不動産コンサルティング協会 KRCA (krca.or.jp)

 

株式会社コミュニティ・ラボ 代表取締役 田中 和彦

京都市下京区の不動産コンサルティングなら「株式会社コミュニティ ・ラボ」 (c-lab.co.jp)

 

登録者一般社団法人 京都府不動産コンサルティング協会
最終更新日2023-02-27 9:00:05
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