2023年12月23日 分譲マンション管理組合交流会
~見たい、知りたい、つながりたい!他のマンションどうしてる?~
日 時:令和5年12月23日(土)13時~16時 会 場:ひと・まち交流館京都 地下1階 ワークショップルーム 共 催:NPO法人京滋マンション管理対策協議会(略称:管対協) 参加者:25管理組合(37名) |
第1部 テーマ別交流会
2つのテーマ「テーマ①資金が足りるか不安!値上げ?節約?何をすべき?」「テーマ②役員に専門家がいない!それでもできるの?管理運営!」ごとに大規模マンション、小規模マンションの2グループを設定し、計4グループで交流を行った。
グループごとに、各管理組合の課題やこれまでの取組を共有し意見交換を行った後、全体でグループでの交流内容を発表した。
◆グループ発表内容
各グループで意見交換した内容を、各グループの代表者が順に発表した。
それぞれのグループでテーマ設定をしたうえで意見交換を行ったが、設定テーマにとどまらず、様々な課題が話題に上がった。発表された意見交換の内容の概要は次のとおり。
【資金問題について】
・修繕積立金のストックが少ない。
・その中で、工事の優先順位や大規模修繕の周期をどうしていくかという検討が必要。
・高齢化・賃貸化が進む中で値上げが難しい。
・修繕積立金の根拠となる、修繕費用の目標額が見えてこない。対策として、専門委員会やコンサルタントの活用などの検討が必要。
【役員問題について】
・大きな問題として、高齢化や賃貸化が進み、役員のなり手が不足している。
・役員の決め方について輪番制が良いのかどうかの検討や運営協力金の検討なども必要ではないか。
・役員を自主的にやっていこうという人が出てくるためには、役員になることの魅力を向上させる取り組みが必要では。
【その他】
・通常の管理運営時、大規模修繕時とも、管理会社との関わりをどうするか。
・専門家など、相談できる先をどのように見つけるか。
・第三者管理について。
・保険金の見直しについて。 など
第2部 事例紹介
Case① 安住できるマンションへの一歩(発表者:ルミエール西京極 能登 恒彦氏)
マンション概要:築40年、185戸。
資金問題で最初に行うべきは、会計の適正化。例えば、駐車場収入が修繕積立金にストックされているか、無駄な経費の支出がないかなどを主体的に確認し見直す。
そのうえで、大規模修繕に向けての資金の検討を行う。大切なのが長期修繕計画。長期的な視野に立った資金計画のため、専門委員会などの体制づくりも必要。
当マンションでは、管理費・修繕積立金の額を過去に3回値上げをした。1994年からは総額の値上げを行っていないが、自主管理にしたことにより管理費に余剰が出るようになったため、2017年に管理費と修繕積立金の割合を変更することで適正化を図った。
長期修繕計画は100年分を作成。60年分が残っている。大規模修繕の予定時期で支出が収入を超えている部分があるが、これを解消する方法として、一つ目として改修周期を伸ばすことを考えている。二つ目として、大規模修繕時に本当に全面改修する必要があるのかということ。この二つの思い込みを見直す時期に来ているのではないか。
いずれにしろ、人任せではなく管理組合が主体的に考えていく必要がある。大切な資金を守るため、自分たちの耳目で情報を集め、自分たちで判断するということを、組織づくりも含めて考えていくと、展望が開けるのではないか。
Case② 管理組合の飛躍に向けて(発表者:ユニ宇治川マンション5号館 林 善美氏)
マンション概要:築42年、131戸、7階建。年齢構成としては、現在は65~75歳の人口が多い。管理組合に時間をさける人が多いということ。
管理組合運営の見直しのきっかけとなったのは、2020年の大規模修繕の決議が適正に行われなかったこと。さらに、高額の追加工事費用が発生しているにも関わらず、区分所有者に説明がなかった。その段階で理事長を引き継ぎ、今後どうしていくかを考えることとなった。
輪番制は、自然発生的に役員が決まり、結果として適切でない理事会が出来てしまうこともある。意識的に変えていくような運営をしなければ、管理組合が機能しなくなる。そういった経緯で、現在は任期2年で1年毎に半数入れ替えの輪番理事に加え、任期5年の常任理事を設けている。
また、管理会社には必要な資料の作成や報告などはお願いするが、管理組合の運営は自分たちだけで行う。マンション内で発生した騒音問題なども、管理会社任せにはせずに、役員で引き受ける。そういった日常的なことを引き受けないと、コミュニティは形成されないのではないかと思う。
当マンションでは、毎週金曜日に金曜喫茶というサロンを開いている。ここで、コーヒーを飲みながら忘年会などの相談や雑談をする。そういった話題と一緒に管理運営に関する話もする。
今日申し上げたいのは、常任理事制をどうということではなく、まずは今の皆さんの思いを引き継げるような管理組合にするにはどうすればよいか考えてほしということ。そうすることで、管理組合をどれだけ飛躍できるかということ。
まとめ
(管対協代表幹事 谷垣 千秋氏)
日本のマンション全体が高齢化と老朽化が同時に進んでいる状況にあって、建物の維持管理はだんだん高度化し、管理組合の役割も一層重くなっている。無駄な費用を使わない、合理的な管理を行っていくことを管理組合は目指さなければならない。その一番良い方法が、管理組合自身で全てを決めていくというやり方。そのためには、有効な情報を集める必要があり、最も信頼できる情報源は、地域の同じ活動をしている管理組合同士の交流での情報。
京都市でも、今回、行政とNPOが共催してこのような交流会を開いてもらったことは歓迎すべきこと。感謝申し上げたい。
参加者へのアンケート結果
全体の感想
①:非常によい |
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最も参考になった内容を教えて下さい(複数選択)
①:テーマ別交流会 |
本日の交流会について満足した点、不満であった点、ご意見などがありましたら教えてください
◆ 満足した点
・様々な理事の方の悩みを聞けた。
・どこのマンションも同じような問題をかかえていることが分かった。
・市とNPOの共催であったこと。
・初めて聞くことが多く参考になった。
・具体的手法を学べた。
など
◆ 不満であった点
・論点を整理して話をしたほうがよかったのでは。
・もう少しつっこんだ議論がしたかった。
・時間が不足し、具体的な意見が聞けなかった。
・負担が大きいと感じた。
・それぞれのマンションの状況が違うため取り入れることが難しい。
など
◆ その他のご意見
・定期的にこのような会を開催してほしい。
・知り合えた管理組合との交流のためには地区割が必要かもしれない。
・グループ交流はもう少し時間を区切って細かいテーマ設定をした方がよかったのでは。
・自分たちで考えて行動する意識が必要。
・京都市で全体の管理組合の組織が必要と感じた。
など
対象イベント | 【受付終了】分譲マンション管理組合交流会 見たい、知りたい、つながりたい!他のマンションどうしてる? |
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登録者 | 京安心すまいセンター |
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最終更新日 | 2024-01-30 12:20:36 |