2017年7月29日『住』から考える子どもの健康 ~自然素材でものづくり~

日 時:平成29年7月29日
テーマ:『住』から考える子どもの健康 ~自然素材でつくるすまい~
講 師:快適な暮らしフルサポート Mjuk代表 日浦 弘子 氏
参加者:親子38組 100名

家族が健康で快適に暮らすためのすまいが,病気の原因となることがあるのをご存知ですか。とくに,大人に比べて敏感な子どもが,「家に帰ってくると具合が悪くなるような…?」と思ったら,シックハウス症候群かもしれません。シックハウス症候群の原因や対策,シックハウス症候群になりにくいすまいづくりのポイントとは。

 

<すまいが原因のシックハウス症候群>
<住まい方が原因のアレルギー>
<ワークショップ・自然素材で照明づくり>
(PDFファイルが開きます)

 

「住む前」と「暮らしながら」考えられるアレルギーの原因とその対策について,説明があった。

1 住む前に考えるアレルギーの原因とその対策
1.1 アレルギーの原因
住宅そのものがアレルギーの原因となる「シックハウス症候群」について説明する。
(1)シックハウス症候群
シックハウス症候群は,新築の住居へ引っ越し,リフォーム(壁紙,塗装工事など)や家具,カーテン,カーペット等の購入後に,住宅に使用されている塗料,接着剤,防虫剤などに含まれる揮発性有機化合物(VOC)などが原因で,体調不良や病気を引き起こすことを指す。構造躯体が体に影響することはあまりなく,仕上げ材の下に貼られていて目に見えない,ベニア,石膏ボード,断熱材,ビニールクロス等が体に影響を与えるので注意すること。
(2)シックハウスの症状
・目:涙目,ドライアイ,かすみ(ピント調節障害),疲れ目,充血,結膜炎,チカチカする,視力低下
・鼻:鼻水,鼻の詰まり
・口,のど:痛み,乾き,味覚異常,咽頭痛,気道の圧迫感
・耳:耳鳴り,難聴
・皮膚:赤み,かゆみ,発疹(じんましん),むくみ,皮膚炎

1.2 シックハウスの対策
(1)建材の見直し
シックハウス症候群の原因として言われている,化学物質には,ホルムアルデヒド,トルエン,キシレン,ベンゼン等があり,その内,ホルムアルデヒドについては,改正建築基準法でその量が規制されている。また,放散する建材の使用を,面積で制限する「フォスター(F☆☆☆☆)制度」があるので,家を購入したり,リフォームしたりする時は,違法資材を使っていないかどうかきちんと調べておくこと。
(2)自然素材の使用
また,できるだけシックハウスの元になるものが入っていない材料を使う。
1)自然素材の定義
自然素材とは,特殊な加工をせず,自然そのままの特徴を活かした材料を言う。
・自然界にあるものが原料
・素材に極力手を加えず,最小限の加工(切る,削るなど)しかしていない
・石油化学系塗料や接着剤などケミカルなものを使用していない
・使い終わって処分する時にダイオキシン類などの有害物質を発生させることなく土に還るような材料
2)自然素材の例1 ~ 無垢材〔建具・床材・造作材〕
無垢材とは,一本の原木から切り出した状態の木材のこと。針葉樹スギ,ヒノキ,パイン,ヒバなど柔らかく肌触りがよい。反面傷が付きやすい。広葉樹クリ,サクラ,ナラなど傷が付きにくく,比較的縮みが少なく変形しにくいが冷たく硬質なイメージを与える。その効果は,調湿効果,断熱効果,気持ちよい質感,炭化して火災に強い,癒し効果,ホコリが立ちにくい〔静電気〕などがある。
3)自然素材の例2 ~ ホタテの塗り壁
・自然素材の内装材には、紙クロス,日本の和紙,オーガニックコットン壁紙(エコクロス),塗り壁〔湿式・乾式〕などがある。この内、ホタテの塗り壁(シェルペイント)は、ホタテの皮の粉を水と1:1で混ぜって使うものである。クロスをはがさずに塗ることができ,調湿効果がある。
※一般的なビニールクロスは,色やデザインのバリエーションが豊富で,耐久性や清掃性もすぐれている。しかし,石油由来であることから,シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物を放散する点,焼却時に有害物質のダイオキシン類が発生する点などが指摘されている。
(3)換気
新築の住宅に含まれている揮発性化学物質がなくなるのに要する時間は,最低3年から5年。しっかり換気をすることで,シックハウスの原因となる物質を屋外に出し,室内の化学物質濃度を下げる。改正建築基準法では,シックハウス対策の観点から,原則として居室の常時換気(24時間換気)を義務付けている。
※ベイクアウト(bake out)
シックハウスの原因になる揮発性有機化合物は,熱で揮発し空中に拡散される。ベイクアウトはそれを利用した方法で,室内温度を人工的に30~35度まで上げ,化学物質の放出を加速させた後,換気を行う方法。繰り返しベイクアウトを行うことで,シックハウスの元になる化学物質の量を短期間で減らしていく事が目的。

2.暮らしてから考えるアレルギーの原因と対策
2.1 アレルギーの原因
カビ・ダニ・ホコリが発生する一番の原因は,暖房,人間の体,炊事等により出来る水蒸気であり,換気をすることでダニやカビを排除し,結露を防いでくれる。
家に閉じ込められた水蒸気は,家具の後ろ,または使っていない部屋など,冷たいところに流れていき,カビなどが発生する。もし壁にほくろのような黒い点ができたら,それもカビ。カビが発生すると必ず腐朽菌が出るが,ダニが腐朽菌を食べてフンを排出すると,それがアレルギーの原因となる。そのため,住んでから一番大事なアレルギーの対策は,湿気対策であり,しっかり換気をすることで水分を外に出すことが最も大事。

2.2 アレルギーの対策(住宅の換気について)
(1)住宅の換気に注意すること
・風は,温かいところから冷たいところへ流れるため,大抵南から北の方に流れる。
・必ず出口の窓をあけること
・風は抜けなきゃ意味がない。夏の風は室内をスムーズに吹き抜けてこそ価値が生まれる。通風用窓の原則は2つ。
「風には入口と出口が必要」「風は下から上へ流れる」。
・風通しのよくない残念の代表
①入口はあるが出口がない
②入口に対して出口が小さい
③出口は大きいが入口が小さい
④入口の位置が悪い
⑤出口に向かう途中で邪魔が入る
(2)気流が流れをつくりやすくする工夫
・南面の窓は冬の日差しを考えてなるべく大きく取る。
・対する北面の窓は,「南面の1/3~1/2程度のサイズ」で,「なるべく建物の上方に横長に付ける」の2つのルールにもとづいて考える
(3)お風呂の換気
シャワー後に換気のため,お風呂の出入り口を開けたり,窓を開けたり人が多いが,お風呂の出入り口を開けると外から風で押された水蒸気が家の隅々にばらまかれる。窓やドアを閉め,換気扇をつけるのがベストの方法。
(4)暖房器具の見直し
暖房器具の種類によって結露しやすいタイプがある。たとえば,ガスストーブと灯油ストーブは,燃料を燃やすため二酸化酸素と水分を部屋に出し,結露の原因となる。一方,電気ストーブやエアコンのような電気を使って暖めるタイプの暖房器具は,暖房時に燃焼を必要としないため,室内に水分を出さない。結露を防ぐためには,水分を出さない暖房器具をできるだけ使わないことも一つであり,ガスストーブやと灯油ストーブを使う時は,使用後必ず換気をすることが重要。

対象イベントすまいスクール 『住』から考える子どもの健康~自然素材で作るすまい
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2020-10-05 15:08:53
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