令和6年7月6日 すまいスクール「地震・台風から大切な住まいを守る~防災リフォームセミナー」

1. 日 時:令和6年7月6日(土)14時~16時
2. テーマ:地震・台風から大切な住まいを守る~防災リフォームセミナー
3. 講 師:一般社団法人 京都府建築士事務所協会 冨家 裕久 氏、岡本 順子 氏、木下 一盛 氏
4. 会 場:ひと・まち交流館 京都 3階 第5会議室
5. 参加者:57人
6. 講座内容:相次ぐ自然災害・・・地震や台風・・・このような災害から大切な住まいと生活を守る防災リフォームの重要性と具体的な事例などについて、建築士が解説します!

1.「我が家に安全に住み続けるために」(講師:冨家 裕久氏)
【地震・台風が建物に与える影響】
今の住宅は、地震や風に対してそれらにいかに耐えられるか構造計算をして設計されている、風については、あまり意識されていないが、実は地震の揺れより風の揺れの方が強い場合がある。

【すまいの点検マニュアル~すまいの健康チェックリスト】
京都市では無料の耐震診断や耐震専門家派遣などの制度があり、住宅の耐震診断を行う際に、すまいの点検マニュアル「すまいの健康チェックリスト」を使って、木造住宅の健康診断を行っている。
14項目の「すまいの健康チェックリスト」を使って、ご自宅のセルフチェックをしてみましょう!

  (1) 柱や壁、床が傾いている。
  (2) 床の浮き沈みや床鳴りがある。
  (3) 建具の建て付けが悪い。
  (4) 露出した土台・柱に腐りやシロアリの被害がある。
  (5) 基礎にひび割れがある。
  (6) 屋根や棟の線、軒先の線が波打っている。
  (7) 屋根ふき材に割れ、欠け、ずれ、欠落がある。
  (8) 金属板に変色、さび、さび穴、めくれがある。
  (9) 樋に変色、さび、割れ、穴、ずれ、欠落がある。
  (10) 内壁(一般室)に雨漏り・水浸み跡、仕上げ材のはがれ、カビがある。
  (11) 浴室の内壁・床に変色、ひび割れ、腐りがある。

一度自宅をセルフチェックして、どんな問題があるかご自身でも分かってから、耐震診断士などの専門家に相談してもらうとスムーズに進められる。
【改修事例の紹介】

 (1) 筋交い:
在来工法においては、筋交いによって耐震性を保てている。筋交いは後からでもつけられる。伝統工法と在来工法の住宅では構造的に特性が違うので、同じ特性を持った揺れ方をする素材を入れることが大事である。
 (2) ウッドピタブレースによる補強工事
住宅の中で補強するのが難しい場合、外側から鉄の筋交いを入れて補強していく方法も考えれる。在来工法に使用できる。
 (3) 限界耐力計算と許容応用力度計算
・在来工法(新築の構造計算)=許容応用力度計算
地震に対してどれくらい許容できるか、耐えられるかを計算
・伝統工法(京町家)=限界耐力計算(京都市簡易型)
建物が持つ特性のある周期に対し、建物にどれくらいの揺れを与えるのかを計算し、ねばり、やわらかさで力を逃がしていくというもの。

2.防災リフォームの計画と実施~事例紹介~
「戸建て住宅の防災対策について(部位別)」(講師:岡本 順子氏)

★屋根
現在は、全部の瓦を釘で留めましょうという基準に変わっているが、自宅の瓦が古い場合は、一度業者にみてもらうことが大事。
★窓
台風では窓ガラスにバッテンとガムテープを貼るのは有効である。昔のガラスは3ミリと薄い。アルミサッシに変えていくのは、防災リフォームとしては有効であるが、風情のことも考えると、補強するには、内窓にするのもひとつ。カーテンや雨戸とフィルムの設置も、台風の際には有効。
★外回り
自宅の手前で排水口をつくったり、水が溜まるところをつくることが有効である。水にぬれるとシロアリの原因にもなる。また、止水板も有効である。
★コンクリートブロック塀
ブロック塀とは壊れやすいものである。京都市では、高さ1.2m以上のブロック塀の場合、控え壁をつけることとなっている。

【地震や台風に備える】
(1) 一部の空間を守る<耐震シェルター>
地震においては、1階が2階に押しつぶされるので、1階の一部分だけでも補強することが大事。耐震シェルターがあれば、家がつぶれること防ぐことができる。
(2) 災害後の生活を守る<太陽光と蓄電>
災害後の生活に必要なものとしては、場所・水・電気・食料・情報である。駐車場の屋根にソーラーパネルを設置するソーラーカーポート非常に有効である。

3.防災リフォームの計画と実施~事例紹介~
マンションの防災対策について(講師:木下 一盛氏)

(1)マンションにおいては、避難時に非常照明が重要である。特にマンションのエントランスで停電があると、避難が難しくなるため、非常照明の内臓バッテリーは点検しておく必要がある。
(2)自然エネルギーを使った、太陽光パネルなどを使い、共用部の電気の供給ができることも必要である。自家発電システムや病院でも使われる非常電源などは、数時間は軽油で動くので、ビル・マンションでも使われているところはある。
(3)地震が起きると水は大きな問題。京都市内のマンションの水の供給については、直圧式はない。水道管の制限があり、水を汲み込むには周りの世帯にかなり影響があるので、受水槽型になっている。マンションの上に水槽が乗っているタイプは、上から下、下から上に増圧ポンプを利用するには、電力が不可欠。タンクレスはタンクに水が溜まらないタイプなので、増圧ポンプが動かなければ、汲み上げができなくなる。そのため、非常電源や自家発電が必要になる。
(4)ゲリラ豪雨の問題として、雨水ピットを設けて、そこに一旦水をためる対策が必要。
(5)マンションの価値を下げないためにも、外壁タイルが剥離する10年~15年で大規模修繕が必要。非破壊検査のサーモグラフィなどで、タイルの浮きを検査できるようになっている。

京都はまだ危機意識が低く、マンションンが密集している中京区しか防災ハンドブックは出ていない。避難経路の問題や、備蓄倉庫の設置、非常時における非常食の管理など管理組合でしっかり防災対策を進めることが大事。

 

 

対象イベント【すまいスクール】地震・台風から大切な住まいを守る~防災リフォームセミナー~【終了】
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2024-10-20 11:59:46
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