2024年9月29日 令和6年度 分譲マンション管理組合交流会

~見たい、知りたい、つながりたい!他のマンションどうしてる?~

日 時:令和6年9月29日(日)pm1:00~pm4:00

会 場:ひと・まち交流館京都 地下1階 ワークショップルーム

共 催:NPO法人京滋マンション管理対策協議会(略称:管対協)

参加者:44名(36管理組合)

話題紹介(発表者:管対協 谷垣幹事)

交流会に先立ち、交流の参考となる話題の紹介を発表した。話題は「大規模修繕の経験を運営に活かす」「次期の理事会運営を今考える」の2つとした。

話題① 大規模修繕の経験を運営に活かす(資料1

大規模修繕の工事周期は、これまで12年位と言われてきたが、最近は材料の進歩や技術の向上などで15年~20年位に延びている。大規模修繕の準備開始は工事の2~3年位前が一般的。
準備期間には、管理組合の体制構築を行う。理事会は通常の管理組合運営があるため、修繕委員会等を設立して取組む体制が一般的。修繕委員会は、過去の役員経験者や関心のある人、関係する職業の人などで構成するケースが多い。ただし、工事関係者の場合は利害関係者となり得るので注意が必要。普段の管理組合活動の中で関心のある人を見つけておくのも重要。
大規模修繕は基本的に共用部分のみが対象。劣化調査により劣化状況を把握し、工事の対象箇所の検討を行う。次に、工事予算を検討し、修繕積立金の額と工事範囲が整合するように計画を立てる。検討にあたり専門家に入ってもらうケースがあるが、専門家も千差万別なため、情報収集が非常に重要。管理会社などの紹介による専門家は、公平な立場に立つとは限らない。工事仕様とは、工事する箇所や使う材料などを示したもので、マンション修繕には一番大切なもの。
修繕委員会の重要な取組として、情報収集がある。優秀なコンサルタントや事業者に関すること、材料や工法に関すること等。まずマンションの修繕工事に関する専門書を一度読んでみる。最も大切なのが、他の管理組合からの情報収集。管対協で行っている工事見学会などでは、見学会に参加している他のマンションからも情報を得ることができる。団体に加入してなくとも、近所で管理組合主体の工事を行ったマンションを探して情報収集するのもよい。優れた工事業者を選ぶためには、多くの管理組合から情報を得ること、管理組合主体で実施した管理組合から学ぶことが必要。
優秀な工事業者の共通点として、同じマンションからくりかえし発注を受けていること、下請や職人があまり変わらないこと、管理組合とのコミュニケーションを大切にしていることなどがある。コンサルタントは基本的に建築士が行うが、マンションの修繕工事の実績が大切。また、建築の素人である管理組合と、工事という専門分野で対話が出来るコミュニケーション能力が大切。
最後に、大規模修繕で構築した体制や知識や経験・人とのつながりなどを、その後の日常管理に活かしていくことが重要。

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話題② 次期の理事会運営を今考える(資料2

管理組合運営には継続性が大切だが、多くの管理組合で毎年業務が継続されず途切れてしまっている。その原因は、ほとんどのマンションが一年任期輪番制となっていることにあり、解消するには役員任期をある程度長期とする必要がある。全員で平等にという管理組合運営の原則と、管理組合業務を継続的に実施することの両立のため、3~5年の常任理事制と1~2年任期の輪番制を併用しているところもある。
また、理事会だけで管理組合運営を行うのは難しいため、それをサポートする体制として、修繕委員会や植栽委員会、規約委員会などの個別の委員会がある。修繕委員会では、大規模修繕など建物管理に関する部分を担う。主な役割は、長期修繕計画の作成、修繕計画に基づく修繕工事の企画実施補助等で、日常の建物点検に立ち会う場合もある。過去の経験を蓄積し今後の修繕に活かす役割を担っているため、任期が長期になる場合が多い。規約委員会では管理規約の改正が主な役割となり、これも役員経験者が中心になって構成されることが多く、内容によっては工事経験者も委員となることがある。
どこのマンションでも役員のなり手不足は共通の課題。なり手がいない理由として、組合員が管理組合に興味がない、時間がないなどがある。一方で、役員のなり手不足になっていない管理組合もあり、そういった管理組合の最大の特徴は、管理組合が楽しんでやっているということ。活動の目的や意義が理解されれば自然に楽しくでき、関心のある人も出てきて好循環に入る。管理組合活動は苦労を伴う活動も多いため、楽しさだけでなく活動の意義をきちんと理解でき、成果を十分共有できる環境が大切。
管理組合が円滑に運営されていくために必要な資質は、継続性・専門性・責任制の3つ。これらの資質を管理組合が獲得していくことが、管理組合運営には重要。

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交流会

参加者をA~Gの7グループ(1グループあたり、参加者最大7名、管対協会員1名)に分け、話題紹介の2つの話題について、グループごとに交流を行った。管対協会員がグループ内司会としてグループ内の進行を行った。交流の記録のため、交流内容について参加者各自が付箋にメモし、グループごとの模造紙に貼ることとした。その後、自由な内容による「ざっくばらん情報交換」を行った後、交流内容を全体で共有した。全体共有は、7グループをA~D、E~Gの2つに分け、それぞれ管対協会員が取りまとめを行い、発表した。

 

全体共有 A~Dグループ(発表者:管対協 能登代表幹事)

4グループをまとめることは難しいが、共通していることがあった。キーワードは管理会社。サービスが良いという評価もあれば、極端に悪いという評価もかなりあり、それが大規模修繕においても日常管理においてもネックになっている。話題は、管理会社の変更や値下げ交渉に至っていた。
Aグループでは、管理会社による修繕工事の見積が非常に高額なのではという疑問を持っておられるところがあった。Bグループも概ね同じで、コンサルタントも入れているものの、工事自体を管理会社にお願いしているマンションが多く、改修費用が高いということだった。Cグループも同様、コンサルタントの選定も含めて管理会社が提案してくることに釈然しないため、理事会もなかなか進まないとのこと。不満を持ちながらも、主体的な活動にはなっていなかった。それを、今日の交流の中で気づき、共有されたように思う。Dグループでも管理会社が問題になっていて、理事会運営をする上で管理会社が動いてくれない、レスポンスも悪いという話があった。また、不適切コンサルタント問題も聞いてはいるが、適切なコンサルタントの探し方が分からないという話もあった。
全体として、悩みを聞いてもらうにとどまったところもあるが、活気のある交流ができたのが非常によかったのでは。

全体共有 E~Gグループ(発表者:管対協 谷垣幹事)

E、F、Gグループも共通点が多くあった。3グループで共通して出ていたのが、大規模修繕の企画や決定を管理会社主導で行っているという実態。体制作りから、管理会社がやりやすいように構築されており、管理組合が主体的に取り組めていないことが分かった。
管理組合主体で大規模修繕に取り組むためには、まず工事仕様書を自分たちで作れるようになる必要がある。管理会社や専門家、工事業者に任せてしまうと、主体的に関わるということにはならない。自分たちで工事仕様を作るためには、工事仕様書に何が書かれているかを知る必要がある。例えば、塗装工事をする場合、劣化の程度に応じてどのような塗料を塗るのが適しているのかなどの基本的な知識を勉強する必要がある。素人であっても、管理組合として自分の建物を知っておかなければならない。
専門家を選ぶ際も、管理組合が分からないことを理解し的確にアドバイスをしてくれる専門家を選ぶことが大切。そういうことができる専門家は少なく探すのは非常に困難だが、それができるようになれば、多くのマンションで管理会社主導の大規模修繕から管理組合主導の大規模修繕に変えていけるのではないか。
このような状況を反映した意見が交流会の中でも多く見られた。

管対協・京安心すまいセンターの紹介

全体共有の後、管対協代表幹事より、管対協のご紹介をいただくとともに、京安心すまいセンターより、センターの紹介と分譲マンション管理組合の支援について説明した。

自由交流時間

終了までの20分程度を、管理組合同士や管対協会員と自由に交流できる時間とした。管理組合同士の継続的な情報交換を促すため、連絡先の交換ができる名刺カードを準備した。

参加者へのアンケート結果

全体の感想

①:非常によい
②:良い
③:普通
④:やや不満
⑤:非常に不満
無:記載なし

最も参考になった内容(複数選択)

①:話題提供
②:交流会
③:ざっくばらん情報交換
④:自由交流時間
⑤:その他

交流会について満足した点、不満であった点、ご意見
◆ 満足した点
・他の組合の状況や情報が得られ参考になった
・同じような問題を抱える組合が多いことが分かった
・同規模の管理組合と話ができ参考になった
・様々なやり方や知らない情報を教えてもらった
・ざっくばらんに話ができたことがよかった
など
◆ 不満であった点
・悩み事ごとにテーブルを用意してほしい
・もっと交流時間が欲しい
・交流時間の配分。ざっくばらんな情報交換時間を増やしてほしい
・解決策がわからない
・行政や建築業界が高みの見物であってはならない
など
◆ その他のご意見
・話題①②について、概論に加え、具体的な成功事例、失敗事例も聞きたかった
・話の軌道修正をしてほしかった
・司会者が同じ立場で経験豊富であったため良かった
など

対象イベント令和6年度 分譲マンション管理組合交流会 見たい、知りたい、つながりたい!他のマンションどうしてる?
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2024-11-05 14:31:30
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