2019年11月2日 すまいスクール「排水が流れない!つまりの原因と対策」

日 時:令和元年11月2日(土)
テーマ:排水が流れない!つまりの原因と対策
講 師:宮島 隆章 氏(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会近畿エリア部会)
会場:アーバネックス御池ビル東館2階
参加者:50名

突然のトラブルであわてる前に…目に見えない部分が多い排水の仕組みとメンテナンス方法をお教えします。

■排水設備とは
家庭や事業所などのトイレ、お風呂、台所などから出る汚水・雑排水と,その敷地内に降った雨水を、公共下水道に支障なく,衛生的に排除するために設けられる排水管やますなどの施設の総称を「排水設備」といいます。京都市では個人の所有地内の排水設備は市民が,公共地の排水設備は市の上下水道局が管理することになっています。

■排水の分類と方式
排水にはいろいろな種類があります。

① 汚水 大小便器、汚物流しなど便所からの排水
② 雑排水 台所、風呂、洗面所などからの排水
③ 雨水 屋根、敷地内の雨水
④ 特殊排水 廃液のように、有害物質を含む排水

排水の方式は、公共下水道の完備している地域では、すべての汚水をまとめて処理する合流方式と,雨水とそれ以外に分けて処理する分流方式に大別できます。合流方式なら排水管の設置が一本で済むため安上がりですが,処理しなければならない汚水の総量が増え,大きな施設が必要になります。また,大雨が降って雨水の処理が追い付かなくなると,汚水と雑排水,雨水が一緒になって逆流する危険があります。全国的には分流式が主流となっています。分流式なら雨水はそのまま河川や海に流せるので,処理施設は小さくてすみます。
排水設備の工事は京都市の指定工事業者でしかできません。新築する際は配管の設計図を出し,完成後,市の検査に合格してから使えるようになります。排水を流す下水道使用料金は基本使用料と従量使用料によって計算します。従量使用料は計量されていませんが,使用した水は基本的にすべて排水されると考えて,水道料に準じて決められています。

■トイレつまりの原因と対策
トイレのつまりの原因は主に次の4つです。

① 大量のトイレットペーパーが原因のトイレつまり
② トイレの便器に「異物」が混入したトイレつまり
③ トイレの汚水管が原因のトイレつまり
④ 尿石が原因のトイレつまり(男性用小便器)

8 割~9 割は①のトイレットぺーパーです。トイレットペーパーを大量に流し過ぎると、便器内の排水路につまってしまい水が流れなくなります。それ以外が,②の異物。紙おむつや生理用品,背中に貼っていたカイロなど。
近年の便器は「超節水型」と呼ばれ、使用する水量が極端に少ないです。その構造がトイレつまりを起こしやすくしています。便器の節水は非常な早さで進化しており、1965 年ごろは 1 回で 20L 流していました。「水量」で流していたのです。最近は3.8L くらいで,渦巻状に流すなど「水流」で流しています。つまりの直しかたで一番手っ取り早いのはラバーカップ。

ラバーカップは「押す」のではなく「引く」。空気が入らないように静かに押して,力を入れて一気に引くことでつまりが取れる。紙おむつやパッド,生理用品など、水を吸う異物がトイレにつまったときは「急いで」異物をトイレから引き上げましょう。汚水が溢れているときは、バケツなどに汚水をできるだけ汲み出しておき、長めのゴム手袋をはめて便器の排水溝に手を突っ込んでつまりを引っ張りだしてみましょう。「とにかく早くつまりを取り出す」のが重要です。というのも、紙おむつやパッドなどが水を吸うと元の大きさの2~3倍くらいの大きさになるので早くしないと取り出せなくなります。

■キッチンのつまりの原因
キッチンのつくりの原因は主に次の5つです。

① 植物油脂や動物油脂のかたまり
② 洗剤や石鹸カスのかたまり
③ 食材カスやヌメリ
④ スポンジやキャップなどの固形物
⑤ 排水ますのつまりの影響

キッチン・台所でよくつまりが起こる場所の第1位は「排水溝や排水トラップ」です。油・食材カスやぬめりが原因で、よくつまりが起こります。キッチンの流し台や洗面台の排水には必ずトラップが設けられていて,水がたまっています。下水のにおいや害虫が上がってこないようについている。排水溝や排水トラップは簡単に取り外せて、掃除すればつまりを直すことができるので業者を呼ばなくても自分で直すことができます。キッチン・台所内でつまりが起きて水が流れにくくなったときは、ゴミ受けやゴミ受け下の椀トラップを取り外して掃除してみるといいでしょう。

■キッチンのつまり対策
キッチンのつまりを解決する手順は、大きく分けて2つです。
①つまりの発生している場所を確認する
まず、どこで、つまりが起きているかを確認します。キッチンのつまりと一口に言っても、排水トラップでつまっている場合と、排水管でつまっている場合の2通りがあります。床に水が漏れている場合は,排水管が詰まっていることが多い。流し台の排水が遅い,流れないなどはゴミ受けやトラップで詰まっている可能性があります。

②つまりの原因を除去する
つまりを起こしているゴミや異物などが、排水トラップにある場合、排水トラップから取り出します。ゴミや異物などが、排水トラップになければ、ワイヤー等で、排水管のつまりを除去します。ゴミ受けやトラップには毎日油汚れがつくので,毎日掃除してもいいくらい。油汚れがついていると生ごみなどが付着してつまりやにおいの原因になる」。キッチンのつまりは、排水管や排水ホースに、日々堆積していく油汚れや生ゴミが原因となることが多いです。特に、排水ホースは、蛇腹部分に、油汚れや生ゴミが溜まりやすいことから、つまりを起こす原因になることもあります。定期的に、排水トラップを掃除することで、予防できることもあるため、流れが悪くなった際は、こまめに掃除するようにしましょう。

■防臭マスの掃除
最近の住宅では,キッチンのすぐ外に防臭ますが設けられています。防臭ますの蓋を開けると,水面は油で覆われているのが普通ですが,まったく掃除をしないと,新築から 5 年くらいでも,排水管をふさぐほど油が厚く固まってしまいます。キッチンの防臭ますは排水から油を除いて,下水道に流すために設置されています。排水をいったん貯めて,軽い油が浮くことで分離され,排水管から下水道に流れないようにしていることから,分離ますとも呼ばれます。ここを掃除しないと,油の層がどんどん厚くなり、ますから先の排水管や下水道を汚して詰まってしまうこともあります。そうなると,大掛かりな工事が必要になり,費用も高くなります。住宅の排水ますのなかで,このキッチンの防臭ますがもっとも重要です。半年に1回は掃除が必要です。とくに冬場は気温が低いので,油が固まりやすくなるので,こまめに掃除しましょう。
掃除をするときは,まず下流側の曲がり管(トラップ管)を外し,浮いている油やゴミを 100 円ショップで売っている穴あきのお玉ですくいとってから,水を汲みだします。底にたまっているゴミは,500 ㏄の四角いペットボトルを半分くらいに切ったものを使うと,すくいやすいです。取り除いたゴミや固形物は,京都市のルールに従ってゴミとして廃棄し,固形物を除いた水は,下水管に一番近い公共汚水ますに流します。キッチン以外の排水ますも定期的に開けてみましょう。水がたまりすぎているときは,地盤の変化などで排水管の勾配が悪くなっている場合があるので,専門家に見てもらいましょう。また,庭や花壇に設置された排水ますに,植物の根が入りこんで,ゴミや汚れがひっかかってつまりの原因になっていることがあります。


※排水ますと排水管のモデル

対象イベント排水が流れない!つまりの原因と対策
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2020-03-26 10:09:51
ページの先頭へ戻る

みやこ安心住まいセンター(安心安全の住まいづくりを応援!住まいのワンストップ総合窓口)

京都市住宅供給公社(安心のすまいを信頼とともに)

京都市すこやか住宅ネット