2017年6月24日「日ごろの手入れが鍵! カビの予防と対処法」

日 時:平成29年6月24日

テーマ:日ごろの手入れが鍵! カビの予防と対処法

講 師:日本清掃収納協会 橋本  敦子 氏

対 象:どなたでも

参加者:51名

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すまいスクールとは すまい方や暮らし方に関する知識を広め,良好な居住環境づくりを目指す「京都市安心すまいづくり事業」の一環として,京都市が主催し,京安心すまいセンターが運営する講座です。専門家を講師に招いたセミナーや体験型ワークショップ形式の講座で,京都らしいすまいのあり方やすまいづくりの基礎知識などを,市民の皆さまに学んでいただくことを目的としています。

■カビとは何か?
カビは真菌とも言い,菌類の一種である。
空気中に浮遊した胞子がものや人体に定着すると,そこから発芽した菌糸が成長し,枝分かれして,放出された胞子がまた他のものや人体に付着して,更に増殖する。
数万種存在し,家庭内においても様々な種類を目にすることが多いが,よく目にするのは以下の5種類である。クロカビ(黒色)
・結露の多い場所に点々と生え,色素を残す力が強い
・低温音・乾燥に強いススカビ(アルテルナリア)(灰緑色)
・芋・穀類や観葉植物,畳,壁紙,古紙や新聞紙類が好物
・高湿度を好む
・胞子が軽く,飛散・浮遊しやすいため,完全な除去が難しい

アオカビ(青色)
・食品類に多く生える(みかん・パン・餅等)
・ペニシリン(抗生物質)はこのカビの一種から発見された

コウジカビ(アスペルギルス属)(黒・黄・白色等)
・清酒麹,味噌麹,醤油麹,米麹等,発酵食品を作る際に使われる麹はこのカビが原材料となる
・とうもろこしの葉が大好物

赤色酵母(ロドトルルラ属)(赤色)
・浴室や台所の排水口等の,赤くてぬめりがあるもの
・他のカビに比べて成長が早いが,擦ればすぐに落とせる
・せっけんカスやシャンプーの泡,人の皮脂が大好物

■カビが発生する条件と,人間の生活への影響
カビが発生する条件は,大きく数えて以下の5つである。
①温度…15~30度で生えるが,特に25度前後で活発化。
冷蔵庫の中等の低温度でも生える。
②湿度…高ければ高い程活発化するが,60%以上で爆発的に増える。55%以下だと動きが鈍るため,繁殖はストップする。
③酸素
④栄養分
⑤時間
これらの条件が揃えば,カビが発生し,増殖していく。
昔の家は風通しが良い構造になっており湿気が溜まりにくかったが,現代の家は機密性が高いため風が通りにくく,湿気が溜まりやすい。風通しが悪いと家の隅等に埃が溜まり,家の湿気が降り重なって固まる。そこにカビが生える。また,それをエサにダニが増える。
このような室内の空気を吸い続けると,肺にもカビが拡がり肺真菌症の原因になる等,人体にも有害である。
また住宅の床材や柱,壁紙が湿気やカビのダメージで腐食し,時にはそこにシロアリなども繁殖するため,安全性や耐震性にも大きな影響を及ぼす。
家族みんなが健康・快適・安全に生活していくためには,日頃からカビへの予防管理を行うことが大変重要である。

■カビが発生する場所と,日頃のお手入れ法
家の中で特にカビの発生率が高いのは,浴室や洗面所,台所や玄関である。それぞれについて,効率の良い管理方法を紹介する。また,リビング等の部屋の手入れ方法も紹介する。

浴室
生えてしまったカビは熱湯を掛けると死滅するといわれているが,その基準は100度である。浴室で熱湯を使うのは危険なので,日常の管理方法としては,浴室内の湿度と温度を下げることを優先する。
一日の使用時の最後に,浴室全体に冷水を掛けると,湿度と温度が下がり,また,シャンプーの泡や人間の皮脂等のカビのエサも洗い流すことが出来るので,一石二鳥である。可能であればスクイジー等水切りの出来る掃除用品で水気をしっかり切り,窓を開けて,数時間浴室乾燥を行う。
翌日の掃除の際には線香を一本燃やしておくと,その煙に除菌効果があるため,カビの発生を防いでくれる。煙を充満させたいので,窓を閉めておくと良いが,その場合は煙探知機に注意すること。ゴムパッキンやタイルには,ロウソクを塗りつけるとカビの侵入が防げるが,足や手を取られて転ばないよう重々注意すること。
浴室の洗剤は効果が強いが成分も強いものが多く,特に塩素系漂白剤は少しの酸を混ぜただけでも人体に有毒な硫化ガスを発生させてしまうので,取り扱いには十分な注意が必要である。定着してしまったカビ掃除のお勧めは,酸素系の液体漂白剤と片栗粉を1対1で混ぜ,台所用ラップで包んで,パックする方法である。
それでもカビが取れないと感じる場合もあるが,掃除は行き届いていて,単にクロカビの色素が定着してしまっているだけということもある。

洗面台
3日に1回程度,台所用スポンジのやわらかい面でフッ素入りの歯磨き粉を洗面ボウルに塗りつけると,フッ素によって保護され,カビの予防が出来る。これは蛇口等の金属部にも使える。ポイントは,塗ったフッ素が落ちないよう,塗った後のすすぎは1回だけにしておくことである。
洗面台の周囲のスペースは狭く,髪の毛や埃が溜まりやすい場所なので,そこにまずゴミを溜めないことが重要である。レジャーシートを隙間に敷く等して,埃よけとすることも有効である。

台所
排水口に付着した汚れは,歯ブラシ4本を少々の間隔を開けて並べ,ガムテープで固定する等して専用のブラシを使うと,掃除がしやすい。歯ブラシのクビの部分にドライヤーの熱を当て「へ」の字に曲げて使うと掃除しやすい。作る際は怪我や火傷に注意すること。
また、アルミホイルをピンポン玉くらいに丸めたものを排水口に3個程入れておくと,2~3週間,赤色酵母のぬめりを防いでくれる。
あまり知られていないが,冷蔵庫内にもカビが生える。冷蔵庫内の手入れは,ものを出して水拭後に消毒用エタノールスプレーを吹き付けた布で吹き上げる良い。余ったわさびをデザート用等の小さな容器に入れ,爪楊枝で穴をあけたラップをかけて冷蔵庫内に入れておくとカビの発生を防いでくれる。わさびが乾いて固まったら交換する。

玄関
玄関は湿気がたまりやすい。特に,下駄箱の中は湿気がこもりやすく,靴にカビが生えやすい。
下駄箱内の湿気を取るためには,扉を開け,1時間程扇風機で送風するとかなり湿気が取れる。また,デザート用小カップ等に重曹を適量入れて置いておくと臭いや湿気を吸い取ってくれる。重曹は固まると効果がなくなるので交換し,使用後の重曹は掃除用に再利用できる。

リビング
時節柄,エアコンの吹き出し口は清潔に保つことが必要である。しかし,奥まで自分で掃除するのは危険で難しい。見える範囲で構わないので,消毒用エタノールを布に吹き付けて,拭くと良い。
またカビの原因になる埃が溜まりやすいのは,カーテンレールの上部である。お勧めなのは使用済みの掃除用のドライシートを再利用して作ったはたき。シートをモップ本体に固定する部分の綺麗な端分を切り取り,10枚程度を菜箸等に輪ゴム等で取り付けてはたきにする。ドライシートは静電気を起こしやすい性質があるので,埃をひきつけやすく、掃除の効果が高い。
埃は静電気を起こして引き付けるのが最も効果的なので,履けなくなったストッキングタイツの中にワイヤーハンガーを通し,好きな形に折り曲げると,手が届きにくい隙間やサッシの上,エアコンの上部等も拭き掃除がしやすい。
部品が細かいリモコン等は,綿棒を使って予防掃除する。静電気防止効果のある柔軟剤を,水100ミリリットルに対して3滴ほど入れて溶かした液を綿棒に含ませ細かい部分の汚れを拭き取ると埃を寄せ付けにくくなる。
カーテンは,気が付いた時に窓や網戸の内側の汚れを拭き取ることでカビの予防ができる。窓の外側は単なる土埃なので水拭きで十分だが,内側は人の油分が含まれているため,少量の台所用洗剤で拭くと落としやすい。

和室
押入れは,中の物を全て出し,消毒用エタノールをスプレーする。天袋には湿気取りのための新聞紙を敷いておくと良い。扉を開けて1時間程扇風機で送風したり,デザート容器等に重曹を入れておくと湿気取りに効果的である。
畳の表面は,40度ぐらいのお湯で硬く絞った雑巾で拭いて乾かす。畳の裏は,年に1回程度,床と畳の間に1時間程ペットボトルを挟んで畳を持ち上げ,その隙間に扇風機で送風すると湿気を取ることができる。

■まとめ
カビ対策には,最も重要なのは換気である。
雨の日にも少し窓を開けて換気すると,空気の流れができ,湿気が溜まりにくくなる。
積極的に予防対策を取り,カビを防ぐことで,家族の安全と健康を守ってほしい。

対象イベントすまいスクール 日頃の手入れが鍵! カビの予防と対処法
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2021-06-27 9:09:16
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