2015年10月12日 すまいスクール「短期間からできるあたらしい空き家活用~伝統工芸の仕事付きお試し移住事例~」

■「京都移住計画」について
講師:田村 篤史氏(京都移住計画代表)
「京都移住計画」は、京都への移住希望者を支える任意団体です。活動は多岐にわたりますが、主たるものとしては、「京都移住茶論」と呼ばれる京都への移住希望者と移住経験者が交流する場の提供が挙げられます。
活動のきっかけは、京都の大学を卒業後、東京で就職した代表らが、「いつかは京都へ帰りたい」と当時ルームシェアをしていた関西出身の友人らと計画を始めたことです。2012年に田村氏が京都にUターンし本格化した活動は、今年6月に全国の若者と「みんなの移住計画」を立ち上げるまでに拡大しました。
構成員がそれぞれ異なる経験を有することから、移住希望者に対して移住後の仕事や住まいについて包括的に支援・助言ができることが特色です。

■「お試し移住」の企画概要について
講師:岸本 千佳氏(京都移住計画)
本試みは、営利を目的とした賃貸借契約の仲介とは異なり、移住促進および空き家の活用促進を目的としています。お試しで移住を希望する人と、空き家所有者の関係を岸本氏がコーディネートすることにより、取引の信頼性が増すだけでなく、移住者は他の移住者の体験を共有することができます。
本セミナーで紹介した事例では、貸し手と借り手による「公開交換日記」や、空き家所有者にとって活用のヒントとなる「住まい心地のレポート提出」を行うなど、人とストーリーに重きを置いている点が特徴です。

■ 「お試し移住」体験者による対談
・貸し手:松山 幸子氏(monomo株式会社代表)
・借り手
・コーディネーター:岸本 千佳氏(京都移住計画)
(松山氏)職場兼自宅として賃借している一戸建てを、仕事の関係で2か月間空けることになったことがきっかけでした。会社の住所が空き家になるという不安や大家に迷惑をかけたくないという思いがあり、活用できればと考えていたところ、共通の知人を通じて「京都移住計画」を知り、今回のお試し移住を行う決意をしました。
物件は岩倉にある農家の離れで、大家さんとの関係が密接です。大家さんへ主旨説明を行い、理解を得ながら進めることとなりました。
(借り手)10年ほど前に園部にある、伝統工芸の学校に行っていたので工芸などにも興味がありました。また、ITやデジタル社会から距離を置きのんびりとくらしたいと感じていたこもあり、今回の応募となりました。
あっという間の2か月間でした。京都の落ち着いた環境で一人生活をしたことによって若いころとは違う自分を見つめられました。物件は、農家の離れだったため、帰宅することに母屋の明かりがついていることが多く、ホッとするし、大家さんがそばにいてくれることが心強かったです。
(岸本氏)大家と借り手の距離が近くて煩わしいと感じる人もいますが、それが京都の良さでもあります。また、短期間でも貸せるということは、貸したらなかなか返ってこないのでは?きれいに使ってもらえるか?などの不安をなくすことにもなります。これは不動産の契約書だけではなかなか解決しない問題です。
それらのことを考慮しつつも、今回の事例で重点となった「マニュアル化できない京都らしさ」や「ゆるやかな接点」などは、空き家活用のヒントになり得るのではないかと思います。

■京都リサーチパーク町家スタジオ見学
講演のあとは、田村氏の案内で京都リサーチパーク町家スタジオの建物を自由見学しました。

■参加者のアンケートより
・今までと違った空き家の話を聞けた。
・貸し手と借り手の生の声が聞けた。
・短期移住についての要領が知り得た。移住計画の存在を知った。
・空き家移住のヒントがあった。

対象イベントすまいスクール「短期間からできるあたらしい空き家活用~伝統工芸の仕事付きお試し移住事例~」
イベントレポート※本文欄に記載
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2015-09-24 21:06:39
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