2015年11月28日 「もしこの家にだれも住まなくなったら?~映像でやさしく学ぶ空き家のお手入れ~」

講師:今井 忍氏(一般社団法人日本空き家管理協会理事)
■空き家を放置すると、老朽化はどんどん進行します。2015年2月26日に「空き家対策特別措置法」が施行されるなど、空き家問題への注目が集まる昨今、「特定空き家」(=危険空き家)に指定されない対策の一つとして、空き家管理という方法について映像を用いて具体的に解説しました。ここで紹介する空き家の管理・お手入れは、これによってカビが生えなくなるなど、家の状態を回復・改良するものではないです。空き家の管理・お手入れとは、老朽化のスピードを抑制し、近隣迷惑を最小限に抑えるための行為です。
■代表的な空き家のお手入れは、カビ発生、臭気、虫の発生を抑制するための「換気と通水」、放火や不審火を防ぎ、近隣の不安を軽減するための「外周の掃き掃除」、「郵便物の廃棄」、「その他の点検作業」、まちの美観を保全するための「植木の剪定」、現状把握のための「チェックシート作成」などから構成されます。さらに詳細なものになると、当団体が推奨するお手入れ及び点検項目では、清掃等の作業が5項目、点検や動作確認等が30項目の合計35項目より構成されます。
■空き家のお手入れは、「何か大変そう…」と感じたのではないでしょうか。端的に言ってしまえば、それらは全部しなくても大丈夫です。一人、一日で全ての作業及び点検を実施することは、困難な場合があります。そのため、基本的な箇所だけ優先的に実施し、できない箇所はまた次回に実施すればよいです。さらに、特別な技術がいるような作業は含まれず、誰でも出来ます。軽い運動だと思って、まずやってみることが重要です。
■自分でする空き家管理8ステップ
1.空き家への入室~室内履きに履き替え
2.手袋の装着~窓の開放
3.収納の開放~天井部屋
4.天井部屋の換気~通水作業
5.通水作業~手摺りの拭き掃除
6.壁紙の確認~ベランダ部の確認
7.波板の確認~外周の掃き掃除
8.外周の掃除~植栽の剪定
■空き家のお手入れでまず着手するべきことは、①室内の不用品処分、②植木の剪定のうち、どちらかと思いますか。答えは、「②植木の剪定」で、最優先に着手するべきことです。理由は、近隣の方の不安を軽減できるためです。まずは、見た目を綺麗にして、徐々に室内の不用品の処分をする事が大事です。

■Q&Aで学ぶ空き家のお手入れ方法
<Q1>瓦が飛んで行かないか心配です。どのように対策すれば良いですか。
→ 瓦職人に費用を掛けて見てもらうしかないです。一人で手入れをする際に瓦を触診することは危険です。
<Q2>雨漏りが既にしいる場合、雨漏りの対策はどうしたら良いですか。
→ 建築士やリフォーム業者に依頼する事が根本的な解決です。雨樋に水が流れているか、ベランダの排水溝に土などが詰まっていないかを最低限確認し、掃除する事が対策となります。
<Q3>電気、ガス、水道の栓は開けておくか閉めておくか。
→ 電気と水道は、開栓しておくことをお勧めします。なぜかといえば、お手入れの際に使用するためです。ガスは、一時的に閉栓できるので止めておいて大丈夫です。開栓手続きも容易です(大阪ガスの場合)。
<Q4>不用品の処分が大変で何から手を付けて良いか分からないのですが。
→ ひとまず一つの部屋に不要な物をまずは移動させる方法があります。そうすることによって、今まで不用品でいっぱいになったお部屋にスペースつくることができ、「進んでいる」と視覚で感じる事ができます。搬出もスムーズに行えます。また、不用品の処分は業者に頼んだ方が良いでしょう。実際、一人でやると搬出と積込み作業が大変である。費用はかかりますが、頼まれた方が早く進みます。

■参加者のアンケートより
・手入れ時に注意する点やチェックリストを知ることができたのでよかった。
・実践的な内容で今後の空き家管理に参考になる点が多かった。
・映像でよくわかった。

このセミナーは,下記のリンクより視聴していただけます。
【Part.1】

【Part.2】

対象イベントすまいスクール「もしこの家にだれも住まなくなったら?~映像でやさしく学ぶ空き家のお手入れ~」
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イベント終了報告日2015-12-07
イベントレポート※本文欄に記載
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2015-09-30 22:33:54
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