2015年12月5日 すまいスクール「事例・体験談から学ぼう!住民の絆を紡ぐマンションの防災対策」

■「阪神淡路大震災のマンション被災体験と教訓~その時、マンションではどんなことが起こったか~」
講師:曽根 武彦氏(一般社団法人 兵庫県マンション管理士会)
(1)阪神淡路大震災から実感した3点
①何より重要なのは自助!
死者行方不明者合わせて約6、500人弱の犠牲者の内、約80%の方が窒息死や圧死でした。まずは、家屋や家具に押しつぶされないように、自分の身は自分で守らなければなりません。
②次に重要なのは共助!
地震でライフラインが壊滅的な状況となり、倒壊を免れたマンションでは、近隣住民や居住者同士の助け合い活動が芽生えたケースもありました。
③ほとんど公助は期待できない!
大災害発生時は、きめ細やかな公的サポートは不可能です。公的機関も同じ被災者。
(2)マンションの防災に関する課題
①直下型地震と海溝型地震の違いの把握
阪神淡路大震災を体験した被災地区の住民は、阪神淡路大震災当時の経験を基準にして考えてしまいます。今後予想される東南海トラフ地震では、被災地域の広さに大きな差がありますので、直下型地震であった阪神淡路大震災の経験が生かせないこともあります。
②管理組合で備えるのか?個人で備えるのか?
阪神淡路大震災は被災地が狭く、1日~2日で全国から救援物資が届きましたが、東南海トラフ地震では物流機能が広範囲に大打撃を受け、商品流通機能が数日間麻痺する危険性があります。原則的には各自で数日間!生き延びることができる保存食や水を備えておく必要があります。また管理組合としてどのようなものを備えておくべきなのかを、事前によく話し合っておくことが重要です。

■「災害危機でマンション防災マニュアル作成事例」
講師:中井 茂氏(一般社団法人 京都府マンション管理士会)
宇治市内のマンションにて、実際に水害に備えたマニュアルを作成しました。防災マニュアルの作成に関しては、資料として配布したサンプルに記載されている事項を確認し、役割分担を決めておくと良いでしょう。

■「今すぐできるマンション災害対策」
講師:中家 幹夫氏(一般社団法人 京都府マンション管理士会)
管理組合が防災対策をする目標は、住民一人ひとりが心の備えをしておくことです。そのために何よりも大切なことは、住民の絆を日頃から強めておくことです。
具体的には次のような取組が必要とされます。
①防災識者、防災リーダーを決める。
②設備、災害時協力井戸マップなどの情報収集をして広報する。
③セミナー、防災アンケート、管理会社を活用して仲間を作る。
④理事会で自主災害対策委員会を設置し予算化する。
⑤委員会はサークルのように機能させる。
(情報交換、講演、健康、映像を活用)
⑥定期に炊き出し、持寄り食事会、災害訓練を実施する。

■「災害に備えて活用しよう太陽光発電」
講師:石崎 雄一郎氏(京のアジェンダ21フォ―ラム)
分譲マンションの防災計画と一緒にできる再生可能エネルギーの利用として、防災対策を考える際に、太陽光発電 設備の導入も併せて検討してみることをお勧めします。 もしもの時だけでなくいつも役立つ内容も盛り込むことで、取組によって得られる対価が増します。
[設置を検討する際の疑問点 Q&A]
<Q1>太陽光発電設備は災害時にどう役立ちますか。
→ 災害で停電している日中、太陽光発電システムの自立運転機能を活用して、1台辺り1500Wを上限とする電力を変換機の非常用コンセントから得ることができます。
<Q2>エレベーターや給水ポンプは動かせますか。
→ 普段から太陽光発電設備とエレベーターや給水ポ
ンプをつないでおかなければ使用できません。これらを動かすには大規模な設備が必要になります。
<Q3>夜間の災害時でも太陽光発電の電気は利用できますか。
→ 太陽光発電は昼間の太陽が照っている時間しか発電できません。昼間発電した電気を夜間にも使えるようにするためには、発電設備に加え蓄電設備も必要です。

■参加者のアンケートより
・管理組合や自治会とは別に自主防災組織の形成が必要だと良くわかりました。
・災害に関して日々の生活の中で注意しておくヒントがたくさんあり。今後の生活に非常に役立つようなことがありありがとうございました。

対象イベントすまいスクール「事例・体験談から学ぼう!住民の絆を紡ぐマンションの防災対策」
イベントレポート※本文欄に記載
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2015-09-30 22:41:00
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