2016年1月23日 すまいスクール「モノへの想いを考えた整理収納講座 ~空き家予備軍の家財整理のコツ~」

講師:上坂 薫氏(一般社団法人モノコミュ研究所)
■どうしてモノが増えるのか
整理収納を適切に行う目的は、快適に安全に暮らすためです。加えて、将来空き家になった際には、賃貸物件として運用する、中古物件として売りに出すなど、次のステップに移行しやくなります。このように適切な整理収納を行う事には多くのメリットがあるにもかかわらず、それを行いにくくする要因が、住まいが持つ収納力を超えて収集されたモノです。
どうして住まいにモノが増えていってしまうのか。それは、「捨てる」、「あげる」、「売る」などして出ていくモノの量より、「買う」、「貰う」などで入るモノの量が圧倒的に多いからです。入るモノの量が多くなる原因としては、①必要か必要でないかに関わらず「流行の品だから」、「他人との比較や他人に対する見栄」から購入してしまう、②用途が不明であるにもかかわらず、無料で配布される販促品をもらってしまう「欲」などが挙げられます。このようにして、簡単にモノが住まいに入ってくることになります。
■なぜ処分できないのか
それは、モノに対する想いがあるからです。「高価であったが奮発して購入した」、「処分したらバチが当たりそう」、「使えないわけではないのに処分するのは気が引ける」などといった想いがモノを捨てにくくさせています。このように、モノには思い出が含まれているのでその想いを無視して片付けを進めることはできません。思い出をうまく残すことも大切なことですが、何を残すのかを考えて整理をすすめていくのがよいでしょう。
■立場によって変わる、それぞれの想い
モノの片づけをしていると、親が子に対して、また子が親に対して思っている本音を知ることがあります。少しの配慮や言い方でモノの片付けが進む場合もあれば、その反対も起こり得ます。そして、自分自身の想いを知り、親子・兄弟・夫婦間でその想いを共有することは家の整理を促進します。言い換えれば、モノに向き合い、整理するためには家族の協力が必要となります。
お正月やお盆など、家族が集まる機会に一度話し合ってみることをお勧めします。
■事例紹介「空き家予備軍の家財整理」
80代女性、ひとり暮らしの方が家財整理をした事例を紹介します。日頃から整理整頓、生前整理を意識してモノを減らす日常を過ごされていましたが、ひとりでは移動や処分が難しいモノがあり、家財整理を請け負いました。長年気にはなっていたが中を確認できないでいたという物入れ・押入れ・食器棚の整理の際には、一度すべてのモノを並べ、全体を見渡してもらうことにしました。作業効率だけを考慮した場合は一見余計な作業にも思えますが、一度すべてのモノを確認し、まず想いを整理し、何を残すか決めるという段階を踏むことで、スムーズに整理を進めることができました。
■リサイクルの活用と供養
処分したいモノに応じて次の方法を検討してください。
・近所のリサイクルショップへ売る
・教会や地域のバザーなどへ寄付
・企業のリサイクル活動を利用する(主に衣類)
・人形は人形供養のお寺へ
・御札・お守りはいただいた神社や寺院へ返納する。返納が難しい場合は、神社のものは神社へお寺のものは、お寺へ納める。
■まとめ
日頃からモノをきちんと整理しておくことで、快適に安全に暮らせるだけでなく、空き家になっても、迅速な有効活用が期待できます。そのためには、モノに向き合い、家族で協力してお互いの想いを知りながら家財整理をしてください。

■参加者のアンケートより
・自分のモノは自分でかたづけるという言葉が頭に残りました。
・モノ整理にとりかかるいい刺激になりました。
・モノがふえるしくみがよくわかりました。単純なことですが直接聞くと印象に残りますね。

対象イベントすまいスクール「モノへの想いを考えた整理収納講座 ~空き家予備軍の家財整理のコツ~」
イベントレポート※本文欄に記載
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2015-09-30 22:49:48
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