2016年11月13日 トラブル事例に学ぶ安心・安全な家づくり、建築士と弁護士が教えます!

日 時:平成28年11月13日(日)

テーマ:トラブル事例に学ぶ安心・安全な家づくり、建築士と弁護士が教えます!(共催団体とのタイアップ企画)

共 催:一般社団法人京都府建築士会 青年部会
   :欠陥住宅被害京都連絡協議会(欠陥住宅京都ネット)

講 師:共催団体所属建築士 松村隆孝
   :共催団体所属弁護士 上田敦

会 場:アーバネックス御池ビル東館

当日の講義からすぐに役立つポイント\PICK UP‼/
建築士の松村氏と,弁護士の上田氏から,新築の一戸建てを建てる際に注意すべきポイントについて,それぞれの視点からQ&A方式で説明がありました。
(1)第1部 レクチャー(16問),(2)第2部 質疑応答(11問),(3)ダウンロード資料
※※注意※※
本講義が実施された時点における民法、建築基準法等の関係法令や慣例に従った回答です。

(1)第1部 レクチャー

●Q1.持ち家を入手したいが,どんな方法があるのか。

A1.上田:家を手に入れる方法は、以下の4つの方法がある。

  1. 新築の建て売り住宅を購入する
  2. 建築条件付きの土地を購入し住宅を新築する
  3. 中古住宅を購入する
  4. 注文住宅を建てる

●Q2.家を建てようと思ったら,誰に相談すればよいか。

A2.上田:最初の相談先は,ハウスメーカーや工務店,建築士事務所が挙げられる。

どこから入るにしても建築士の関与が不可欠である。

●Q3.建築士の仕事とは?どうやって選んだらいい?費用はどのくらい?

A3.松村:建築士の仕事は、「設計」と「監理」がある。

設計とは、法律が定める条件のもとで適切な建物設計図を書くこと。監理とは、建築工事が設計図通りに進められているどうかをチェックすること。
建築士の選定は、工務店やハウスメーカーには所属の建築士がいる場合もあるが、別に紹介される場合もある。
また,ホームページなどで探した建築士に依頼してもよいが、建築士にはそれぞれ専門分野があるので、ホームページなどで過去の実績を確認することも大切。
設計に係る費用は法律等で明確な決まりはないが,工事費用の10%前後とされることが多い。
メーカーや工務店によっては設計料が非常に安価な場合や,無料をうたっている場合があるが,工事費に上乗せされているケースもあるので確認が必要。

●Q4.家を建てる際の大まかな流れが知りたい。

A4.松村:流れは次の通りである。

  1. 家族で新しい家に対する要望,間取りや予算を検討し,イメージを共有する。
  2. そのイメージを具体化してくれる設計士を選び,設計を依頼する。間取りなどのおおまかな基本設計を作成する。
  3. 施工業者に見積もりを取るため,材料や設備等の詳細を記載した実施設計図を作成する。
  4. 実施設計図を基に施工業者に見積を依頼する。
  5. 工事の施工業者が決定したら,土地の規制の確認や,建築確認等の申請を行う。
  6. 建築許可が下りれば正式に着工となる。一般的な住宅であれば,設計図作成から住宅の完成・引き渡しまで,大体12ヶ月から18ヶ月程度である。

●Q5.土地を選ぶ際は,どんなことに気を付けたらよいか。

A5.上田:土地の購入に関しては次の6つのポイントが重要。

  1. 土地の所有者から取得する。不動産登記簿謄本で権利関係をきちんと確認する。
  2. 現地をしっかり確認する。立地条件だけでなく、夜や雨の日などの様子も確認する。
  3. 土地の履歴,来歴を知る。過去はどのような土地だったか、田畑や埋め立てた場所ではなかったか、過去に水に付いたことがないかなどにも関心を持つことが必要。
  4. 土地の法的規制を調べて知る。規制によっては希望通りの家が建てられない場合がある。
  5. 周辺の建築計画,将来の規制緩和を知る。
  6. 建築条件付き土地の売買は条件の詳細に注意する。自由度が低いケースでは、トラブルに発展するケースがある。

●Q6.建築士との打合せで気をつけておくべきことは?

A6.松村:まず,家族の中で,意見を集約し,要望や予算は包み隠さず相談する。

家づくりにおいて,施主と施工業者は一緒に家を建てていくチームであると考えてほしい。

●Q7.建築士との契約は? 契約の際の注意点は?

A7.上田:施工業者に一括で全ての契約を結ぶ場合は建築士と契約を行わないこともあるが,自身で探した建築士と別途契約を結ぶ場合は,設計と,それに関する監理を委託する「設計監理委託契約」を締結する。そして,その際には以下に注意して契約書を作成する。

  1. 設計の完了期限を設ける。お互いのこだわりが強い故に,いつまで建っても設計図が仕上がらないケースがある。
  2. 設計料の総額と支払時期を定める。知人から紹介を受けた建築士との契約である場合,お金の話はし辛いなどと遠慮しがちであるが,親しい関係であるからこそ,最初にきちんと取り決めるべきである。
  3. 工事予算をしっかり伝える。これもお互いのこだわり故に,いざ設計してみると予算額を大幅に超えていた,というケースも,実は少なくない。事前にしっかりと伝え,それを守ってもらうことも重要である。
  4. 設計の追加・変更の場合の費用に関して,取り決めをしておく。
  5. 監理業務の範囲を明確にしておく。どこまで監理してもらうか,監理の結果をどういう形で報告してもらうのか。また、工事が終わった際には,全体を統括する報告書の提出を求めることも必要である。

●Q8.建築士が作成する図面にはどういうものがあるのか。

A8.松村:建築士が書く図面には,さまざまなものがある。

  • 上から見た「平面図」
  • 横からみた外観「立面図」
  • 建物の「断面図」
  • 材料や工法などを記した「仕様書」

基本的にはこれらが通常的に作成する図面である。他に,必要によって配置図,矩計(かなばかり)図,展開図,構造図,設備図などを作成する。必要な図面をきちんと用意してくれる建築士を選んでほしい。

●Q9.施工会社に工事を依頼する際にどんなことに気を付けたらよいか。

A9.上田:まず,以下の2点に気を付けていただきたい。

  1. 施工業者とは必ず「建築工事請負契約」を締結すること。
    リフォームや小さい工事だと契約を結ばない業者もいるが,口約束ではトラブルに発展しやすい。
  2. 契約書はよく読み,言われるがままサインをしないこと。契約書は業者との信頼関係が失われた時にこそ役立つものである。
    内容が不明瞭な場合は施工業者にきちんと説明を求める。説明を億劫がる業者への依頼は避けた方がよい。
    契約書の内容で特に大切なのは以下の3つ。

    1)工事代金の総額について
    広告などを見ていると,「坪単価○○円」とのうたい文句を見かけることがあるが,広告はあくまで目安であり,家を一軒建てる際の値段には一定の基準がある。安さにつられず,しっかり工事内容を確認してから依頼・契約することが大切である。
    また,代金の中に一括下請けを行う費用が計上されている場合があるが,これは工事を下請工務店に丸投げするものである。支払った代金と,実際の建築費に差額が生じるため,トラブルに発展するケースがある。法的には原則禁止されているが,施主が承諾すれば有効となるため、契約書の特約事項に記載がないか注意する。
    また,一式見積にも注意が必要。「○○工事一式」ではどんな材料を使ってどんな工法で作られたかさっぱりわからないため,正確な見積書の提出を要求してほしい。家の建築にはやはり適正な金額が必要である。そこから大幅な値引きは理論上難しいと考えておく方がよい。
    2)工期について
    工期を巡るトラブルも意外と多い。工事の遅延による仮住まい費用などの負担が問題になることが多いが,契約書に工期が明記していなければ,遅れているかどうかの判断も出来ない。
    また,工事中はやむを得ない事情で遅れる場合があるが,工事にかかる作業日数はある程度決まっているため,必要以上に工期を短縮するのは,手抜きや欠陥住宅のもととなる。ある程度余裕を持った計画を立てることが必要である。
    3)瑕疵担保責任について
    確認すること引き渡した建物に問題があった場合,施工を行った業者には問題箇所の補修や,賠償する責任がある。
    しかし,施工業者に責任があるのかが分からないケースも多いため,民法で,木造は引き渡しから5年,鉄筋コンクリート造や鉄骨造の場合は引き渡しから10年と施工業者の責任期間が決まっている。この期間は契約時の特約で短縮することも認められており,施工業者が準備する契約書では,引き渡しから2年と書かれていることも多い。ただし,建物の構造体力上の主要な部分と,雨水の侵入に関しては,契約で短くすることはできないとされている。
    ほとんどの契約書では瑕疵担保責任について記載されているが,その内容と期間をきちんと確認していただきたい。

●Q10.工事が始まった。あとは施工会社に任せてよいのか?

A10.家の建築の主体はあくまで施主である。

松村:施主には,それぞれの工程のタイミングでの確認を心がけていただきたいが,職人さんへの配慮はお願いしたい。

上田:まめに現場に足を運び,現場の監督などともコミュニケーションをとったり,施工途中の土地の様子をよく観察しておくのもよい。

●Q11.施工段階ごとのポイントとは。

A11.ポイントは6つです。

① 建物を建てる場所が決まったら,地盤調査を行う。

松村:地盤が硬いか柔らかいかなど,調査方法によって建物の四隅や中央部分で行う。予定している建物に対して土地の耐力が低い場合は,土地にセメントを直接流し込んで地面を硬くしたり,セメントの柱を埋め込んで,耐力を上げるなどの地盤改良を行う。

上田:この地盤改良をしっかり行われていないと,不同沈下といって,家が沈んだり傾くというトラブルが発生する。軟弱地盤であっても,きちんと改良すれば家は傾かないと言われている。そこも確認を怠らないようにしてほしい。

② 土地の地盤を固めたら,建物の基礎工事を行う。

松村:基礎というのは家の土台部分にあたり,設計図に基づいて鉄筋を配置していく。予め各種配管を埋設していくこともあるので,その補強の鉄筋を設けるなどがポイントとなる。鉄筋の配置が終わればコンクリートを流し込んでいくが,その分量の配合表や,強度試験の結果も建築士の確認を受けてほしい。

上田:鉄筋を包むコンクリートの厚さについても,法律上きちんと決まっているが,それより薄かったり,配合を間違えたために
トラブルになる事例も報告されている。

③ 基礎工事が終われば,躯体工事から棟上げを行う。

松村:基礎部分の上に柱を組んでいくが,大体1日程度で終えてしまうことが多い。

上田:この時点で発生する不具合としてよく聞くのは,土台とコンクリートを繋ぐ金具,金物が設計図通り施工されておらず,耐力が不十分となるケースである。

④ 棟上げが終われば,屋根工事を行う。

松村:屋根に防水シートを貼って,屋根の仕上げ材を張る。屋根のこう配についても法的に決まっており,それを守らないと雨水が侵入することになる。

上田:屋根の欠陥でよく挙げられるのは,防水シートを貼る際の不具合による雨水の侵入である。防水シートの重ね合わせを上下逆にしたり,のりしろが少ないために,本来の能力が発揮できていないケースもある。

⑤ 屋根の工事とほぼ平行で,外壁の工事を行う。

松村:外壁や,窓周りにも防水加工を施す。窓周りは特複雑になっているので,施工ミスをすると雨水の侵入にもなりかねない。
しっかりと行うよう心掛けている。

⑥ 最後に,内装工事を行う。

松村:床下に配管や配線を仕込み,コンセントを配置し,石膏ボードや断熱パネルを貼り,壁紙を貼って仕上げていく。
時折,この時点でコンセントの数を増やしてほしいと言われ,パネルなどを剥がして,また貼り直したりもする。

上田:内装のトラブルでよく挙げられるのは,壁紙下のパネルの継ぎ目の位置から壁紙がずれてしまい,浮いたり寄れたりして
剥がれてきてしまう例である。

●Q12.工事の内容に疑問がある場合,どうしたらよいか。

A12.松村:気になることがあれば,早めに建築士や現場監督に伝える。早ければ修正や変更が可能な場合もある。

●Q13.追加工事の費用を請求されたが,支払う必要はあるのか。

A13.上田:追加変更に関するトラブルはとても多い。契約書でどういった取り決めをしていたかにも左右される。

施主側がちょっとした手直しのつもりで依頼したことが,よく見るとグレードアップであったり,別の材料を使用することになったりする。その場合,施主にはその意識がないので,支払いに関してトラブルになることが多い。それを避けるために,次の3つのポイントを心に留めておく必要がある。

  1. 口頭での依頼や,行き当たりばったりで追加変更しない。職人への口頭での依頼は「言った」「言わない」と後でトラブルになりやすいので,必ず現場監督や建築士等の責任者に依頼する。
  2. 施主側も,「追加や変更には基本的に費用が発生するもの」と考えてもらいたい。
  3. 追加変更分に関しては,別途契約書の作成をしてもらうのがベストであるが,難しい場合は,追加変更した部分の設計図の作成,工事費の増減した分の見積,追加変更工事の承認や打合せ議事録など,何らかの方法で形に残す。

●Q14.工事が延びた分の仮住まいの費用は施工業者に払ってもらえるのか。

A14.上田:延期となった原因の責任がどこにあるかによる。

工期が延びた原因が施工業者にあれば,支払ってもらえる場合がある。その場合は,工事金額の減額という形で精算されることが多い。
しかし,通常,施工業者側が用意する契約書では,工事遅延による損害金を予め定めていることが多い。その場合,賠償の範囲が限定され,別途に請求することは難しい。

●Q15.建物の引き渡しを受ける際,気を付けておくべきことは何か。

A15.引き渡しの前に,施主による検査を行う機会が設けられることが多い。

松村:設計図書に合致しているかどうかの最終確認をきっちりしていただきたい。

上田:引き渡しの際には施工業者から受け取っておきたい書類がいくつかある。

  1. 建築確認済証
    建築確認申請後に交付される書類だが,意外ともらっていないケースが多い。
  2. 検査済証
    建築に関して中間検査,完了検査を行った際に,検査を行ったという証明になる書類だが,これももらっていないケースがある。
  3. 竣工図
    完成した建物の確認をする意味と,後日のメンテナンスのためにも必要となる。
  4. 施工に関わった工事業者のリスト
    どういった業者が関わっていたのかもわかるし,不具合があった場合の連絡先としてもらっておくとよい。
  5. 設備機器の説明書、保証書
  6. 建築工事完了引き渡し証明書
    当該建物の不動産登記をするときに必要となる。

●Q16.入居後,不具合に気付いたときはどうしたらよいか。

A16.上田:軽微なものであれば施工業者に依頼して補修してもらう。ただし,不具合が「軽微」かどうかは,建築に対して素人である施主が判断するのは難しい。

例えば,事例として一番多いのは雨漏りであるが,防水の施工不良や不同沈下など,原因は様々である。

  • もし不具合を見つけたら,まずは信用できる専門家の助言・協力のもとで原因追究のための調査を行う。
  • 不具合の原因が施工不良にあることが特定できれば,その旨を施工業者に告げて対応を求めることができる。
  • 施工業者の責任かどうか分からなくても,期間内であれば瑕疵担保責任を問うことが可能。

しかし,家の不具合は数年経って表れる場合が多い。施工業者に責任を問おうにも,期間制限にかかったり,倒産したり廃業などで,責任追及できない場合があるので注意が必要。不具合を発見した場合は,出来るだけ早い段階で専門家に相談をするのが望ましい。

(2)第2部 質疑応答

●Q1.新築の場合はいろいろ書類を揃えてもらえる場合が多いが,リフォームの際はあまり書類がないこともある。リフォームトラブルを避けるにはどうしたらよいか?

A1.上田:リフォームトラブルも大変多い。

避けるための第一歩としては,どういった業者を選ぶかにあると思う。非常に相談が多いのは
訪問してきた業者に依頼したケース。会社の規模で安心とは一言では言えないし,法的に賠償責任が認められても,資金難で回収できないケースもある。よく知らない業者よりも,紹介や実績を調べるなど,信頼できる業者を探すことが何より大切なことである。
また,訪問業者の場合は「○○工事 一式」と書かれた,いわゆる「一式見積」を作成してくることが多いように思う。
家を建てる,買う,売る,リフォーム,どのケースにも通じるが,内容をきちんと記載した見積を作成してくれる業者を選ぶべきである。

●Q2.瑕疵担保責任について,交渉で有効期限を延期できるか。中古住宅の場合,瑕疵担保責任は負わないと広告でうたっていることがある。これはどう捉えたらよいのか。

A2.上田:法的には期間延長が可能であるが,契約を結ぶ際にお互いの合意を得られないと出来ない。合意をする業者はなかなかいないのが現実である。
また,大変古い中古住宅だと,家がどのように建設されているかの構造が全くわからないため、そのような条件付けをして売買している場合がある。法的には免除ということで,「現状有姿」としてお互いの合意を得ていれば問題ない。中古物件の売買の際は十分な注意を払っておく方がよい。

●Q3.建築した家に不具合を発見した場合,建築士にはどの程度の責任があるのか。その場合は無償で修繕してもらえるのか。

A3.松村:設計と監理が建築士の仕事なので,問題が発覚すれば,もちろん法的な責任はあるが,その問題の原因が施工会社のミスであった場合もあり,有償か無償かも,その時々による。自分がきちんと設計した建物について,責任を感じない建築士はいないと思う。まずは相談してみていただきたい。

●Q4.一級建築士のいる工務店に施工を依頼した場合は,施工者と監理者が同一になるが,そういった場合,監理が甘くなるのではないか。

A4.松村:可能性が無いとは言えないので,第三者に監理を求めることが望ましい。理想的なのは,設計・施工・監理を全て別の会社に依頼することである。

●Q5.ほぼ新築と言えそうな大掛かりなリフォームを行う際は,新築と同じ程度の契約書をもらった方がよいと聞いたことがあるのだが,これは正解か。追加工事の際は契約書は発行しないとする業者もいるが,やはりもらっておくべきか。

A5.契約書はきちんと文書でもらっておいた方がよい。

松村:大掛かりであればあるほど,図面としてはほぼ新築と同じようなものを用意する。金額も上がってくるので,契約書はきちんと交わした方がよい。

上田:どのようなリフォームであっても,契約書はきちんと文書でもらっておいた方がよい。口約束では担当者が変わった場合に逃げられる場合もあるし,その後何か起こって検証を行う際にも役立つ可能性がある。

●Q6.新築の完了検査は一般的には何をするのか。施主検査の際は,施主としてはどこを見て,どのような検査を行うべきなのか。

A6.松村:完了検査は,行政が建築確認申請を行った際の内容と同様に建築できているかを確認する。ここでは,建具に傷があるなどの詳細は見ず,ドアや窓の大きさ,材料があっているかを見る。
施主検査は,1時間程度で,スイッチのON/OFFやエアコンが利くかどうか,水を流して漏水なく流れるかどうかなど,ユーザーとしての使い勝手を見ていただく。

●Q7. 亡くなった両親が住んでいた空き家のリフォームを検討しているが,名義はまだ亡くなった両親のままになっている。今のうちに何か法的な事柄について手続きしておいた方がよいか。

A7.上田:亡くなった方がご両親であれば,その家と土地は遺産であり,相続権が発生している。法的には,登記で建物と土地の名義を変更され,家の所有者を変更されるべきである。

●Q8.特別に信頼を寄せる施工業者がいない場合は,やはり大手に頼むべきなのか。

A8.上田:大手・小規模,どちらもどうとは一言では言えず,どちらが安心とも言えない。
具体的なプランを相談した時の営業担当者や現場担当者の対応にて判断し,複数の会社へ見積作成を依頼し,第三者にも見てもらうなど,
比較の手間を掛けて,まず自身の目を肥やすことをお勧めする。

●Q9.よく広告のうたい文句に挙げられている「性能保証10年」とは何か。材料のことか,瑕疵担保責任のことか。

A9.上田:住宅性能評価・表示協会が「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(略称:品確法)に基づいて行う「住宅性能評価」というものがあるが,それに沿っているものかどうかはわからない。おそらくその会社で設けた保証基準ではないかと思われ,まず中身をきちんと確認すべきである。

●Q10.注文住宅で新築して20年経ったが,2年目頃から雨漏りに悩まされてきた。こちらの組織をもっと早くから知っていたら心強かったが,何年ぐらい活動されているのか。

A10.上田:平成10年に発足。様々な活動を行っているので,その内容はホームページをご覧いただきたい。

●Q11.上棟式当日の天候が雨だったが,業者が「本日したい」と主張したため,そのまま行った。後で「通常,雨の日は行わない」と聞いたが,本当か?

A11.松村:木材は1~2日の雨程度では芯まで濡れることはなく,またすぐ乾くので問題ない。ただ,心情的に心配な気持ちはわかる。
基本的には雨の日が避けることは多いが,おそらく,日程的にその日しかなかったのではないだろうか。

(3)ダウンロード資料

対象イベントすまいスクール トラブル事例に学ぶ安心・安全な家づくり、建築士と弁護士が教えます!
イベント終了報告日2016-11-13
イベントレポート※本文欄に記載
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2016-09-13 17:43:45
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