令和6年10月5日 すまいスクール「住宅にまつわるお金の話セミナー」

1. 日 時:令和6年10月5日(土)14時~16時
2. テーマ:住宅にまつわるお金の話セミナー・相談会~中古住宅購入+リフォーム編~
3. 講 師:一般社団法人 京都府不動産コンサルティング協会 岩佐 英治氏
4. 会 場:ひと・まち交流館 京都 地下1階 ワークショップルーム1
5. 参加者:48人
6. 講座内容:中古住宅を購入+リフォームをテーマに、新築と中古住宅購入におけるコスト比較と予算の組み立て方、購入からリフォームまでの流れとチェックポイントについて、事例紹介と合わせてわかりやくす解説!併せて、中古住宅購入やリフォームに使える支援制度についても説明する!

1部 セミナー

1『中古住宅購入+リフォーム』に関わる資金計画等のお金の話

これから住宅を買いたいという方が、「こんなお家が買いたい、こういうリフォームがしたい」など、住宅購入にあたり、どういうところに気をつけたらいいのか、中古住宅購入や住宅ローンについてわかりやすく解説する。

1.1 新築VS中古 コストは?相場観は?

ある小学校区の分譲マンションの事例で、分譲マンションを購入するにあたって、どういう予算組みで、どういう相場観で考えたらいいのかを考えてみる。

①新築マンション:駅徒歩1分、面積が66㎡、3LDK、販売価格 約6,500万円。
オートロックつき、コンシェルジュあり、省エネ性能完備。

②中古マンション(2016年建築):築後8年、3LDK、専用駐車場つき。販売価格 5,280万円。
ハウスクリーニングだけと考えた場合、1,000万円くらいの差が出てくる。築後10年くらいであれば、ペアガラスや宅配ボックス備付等、今と設備的な差が少なく、最新のマンションと比較しても、遜色がない。新築と築8年、9年のマンションであれば、金額で言うとどちらがいいのかということになる。

③中古マンション(1997年建築):築後27年、同駅徒歩3分、4LDK、販売価格 約3,490万円。水回り1回リフォーム済み。
築20年、30年の場合、現在の所有者の使い方によっても違いはあるが、キッチン、お風呂、洗面、トイレなどの水回りなどをリフォームしているかどうかが相場に関わってくる。当該物件は、水回りがリフォーム済みのため、300万円くらいかけたら十分住むことができる。購入価格 3,490万円+リフォーム代300万円=3,790万円。

④中古マンション(1975年建築):築後約50年、立地同条件、3LDK、販売価格 1,880万円。
築50年くらいの場合、過去にリフォームされていることが多い。フルリノベーションの場合、内装だけで、約800万円から900万円の予算。相場的には、リフォームを入れて、2,700万、2,800万円。

同じような立地条件・広さの家を探したとしても、金額に①~④のような差が出てくる。住まいにどれだけお金をかけるかというのは、人の価値観によっても変わるが、金銭的なことだけではなく、設備の内容や、中古マンションの場合は、物件の状態など、さまざまな問題が関わってくる。お金のところだけ考えると、新築マンションと築50年のマンションでは半分くらい変わってくるということ。築50年のマンションがそこからあと何年もつのかということは別の話になってくるが、いろんな物件を見ると、人によって答えが変わってくる。

1.2 住宅購入の予算の組み方は?

(1)住宅購入に係る諸経費
住宅購入に係る諸経費には、以下のものがある。住宅購入の際には、不動産屋でしっかり説明を聞いてみよう!

・住宅購入費用(売主への支払い): 売主さんに支払う不動産のお金。固定資産税を支払っていると日割で清算される。
・諸経費(各専門家への支払い): 不動産会社や司法書士や付随するものに支払う費用。諸経費は物件価格の6~7%くらい。
ローン費用(金融機関への支払い): ローンを組む場合は、金融機関に支払うお金として、保証料、融資手数料などが必要。
購入後に必要な費用 : 住宅購入の後に、家具が足りなかったり、追加でリフォームしたいという場合がある。購入後に必要な余剰予算などについてもみておく必要がある。

 

(2)予算の決め方は?(ローンを組む場合)
予算を決める時に、まずは今、貯金がいくらあるか、その貯金を使って自己資金として頭金を用意するが、今は住宅ローンは金利が上ると言われているものの、自己資金が無い場合でも、全額ローンで購入できる。住宅購入費用も、諸費用も、ローンにかかる費用も、場合によっては、購入後に必要な費用も一つのローンで組むことが可能である。

①まず総予算を決めましょう <総予算=自己資金+ローン借入=物件購入価格+諸費用>
ローン借入の目安として、「月々払いから見た借入額」と「年収別借入可能額」の表を参考にする。

②年収から計算?
不動産屋に行ったら、まず年収を聞かれる。「年収別借入可能額」の下表から、年収500万円の場合、借入可能額は3,550万円くらいのローンが組める。

↑ 当日の配布資料から抜粋

③今の家賃を参考にする?
家を購入する場合の毎月の返済額は、だいたい今払っている家賃くらいが目安になる。「月々払いから見た借入額」の上表では、同じ3,550万円の借入の場合、月々払いが10万円となる。少し金利(1.00%)を高めに見ているが、バランスを間違えると、支払いが難しくなる。年収600万円の場合、4,250万円の借入ができるが、実際10万円月々支払って、ぎりぎりの方もいる。2、30年前までは、年収ぎりぎりでも収入が上ってくる時代であったが、今はそれが見込めないこともあり、まずは今の生活を維持していくということが非常に大事なことである。

④教育資金や貯蓄を意識して
住宅購入をされる方は、子育てをされる世代が中心で、子育ての資金は分からないところもあるが、もう一人育てるのに2,000万と言われる。「教育資金(幼稚園~高校卒業)」の表を参考に、幼稚園から高校卒業までの教育費の目安として、すべて公立でも570万、すべて私立の場合だと1,800万円掛かる。更に大学まで行くともう一つお金が掛かる。これも予算組みの指標になる。このあたりをしっかり押さえておかないと先のことが見えてこない。自分にこの先どれくらいのお金が掛かると予測しておかないといけないのか、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つ。それで予算を決めて行くことが重要。

1.3 中古住宅購入+リフォームの流れとチェックポイント

(1)中古住宅購入+リフォームのスケジュール❶ ~中古住宅+リフォーム物件の購入パターン

①リフォーム済の中古物件を購入する場合
リフォーム済みの物件は、不動産会社が売主になってリフォームをしている場合が多い。不動産会社がやっているリフォーム物件は、売れるようなリフォームをしているため、建物の屋根や躯体などのチェックがされていない場合がある。物件探しの際にチェックすべき点である。

②中古住宅を購入+リフォームは不動産会社が紹介する工務店で行う場合
メリットは、リフォーム代もローンを組む際にワンストップで進められる。不動産屋が紹介するリフォーム会社で行うので、一連の流れが、予算組みもすべて一つの不動産会社に任せられる。
【チェックポイント】不動産屋が紹介する工務店のため、価格や信頼性が分からないため、まず不動産会社が信頼できるところであるかどうかを見極めるのが大事。相見積もりを取ることも考えられる。

③リフォーム会社を先に決めて、総予算に合わせて中古住宅を探す場合
住みたい家やリフォームの内容、工務店が決まっている場合、まずリフォーム会社の方で予算組みをし、これくらいの価格の家を買いたいというのに合わせて、物件を探していくという探し方もある。
【チェックポイント】相談を受けたリフォーム会社と不動産会社との間で、お金の主張が食い違い、不動産会社とリフォーム会社にギャップができてしまうパターンがある。購入しようとする住宅に対して適正なリフォームであるか検討が必要。

④中古住宅を購入してリフォームはDIYという場合
自己資金やローンを組んで家を買い、ある程度プールしておいたお金で、自分でリフォームをするというもの。
【チェックポイント】DIYでリフォームを考える方も多いが、あまり専門的な工事をしない方がいい。電気工事などは資格がいるため、注意が必要。

 

(2)中古住宅購入+リフォームのスケジュール❷ ~購入の流れと不動産担当マンが考えていること
購入からリフォームまでの流れを<②中古住宅を購入+リフォームは不動産会社の紹介>で見てみましょう!

①物件探しの条件を決定 :「立地」「予算」「どんな家に住みたいか」の3つのバランスが重要。スケジュール感や予算、どういう買い方をした方が良いか、相場観など不動産会社はよく分かっているので、まず相談することを勧める。どんな家に住みたいか、今までどんな家に住んでいたか、どういう風に子育てしていきたいかなどを話すことによって、紹介される物件も変わってくる。しっかり話を聞いてくれる不動産会社を探すというところもポイントになる。

②資金計画の決定 : 一番重要なところ。気に入った家が見つかり、購入する場合、一番重要なのが資金。ローンを組む場合は、ローンの審査が通っていないといけない。住宅ローンの事前審査時には、物件が決まっていないと事前審査はできないが、不動産会社を通すと、仮の物件で通し、まずいくらの物件が購入できるかを審査して、資金確定ができる。

③物件探し・見学 : たくさん見ることをお勧めする。

④リフォーム費用の概算見積 : 気に入った家が出てきたら、概算見積でもいいので、早々に見積りを出してもらうことで、全体の金額を見極め、不動産の決定・購入を進めていかないと先を越される場合もある。不動産は一つしかないので、早めに決断することも時に必要である。

⑤購入不動産の決定 : 希望価格・契約時期・引渡時期を購入申込書に記入し売主に提出。

⑥売買契約・手付支払 : 売主さんと売買契約。申し込み後、一週間以内が目安。重要事項説明を受け、契約内容確認・調印、手付金支払。

⑦住宅ローンの本申込 : 契約後、約3週間以内に承認を取得。リフォーム費用の概算見積が必要。

⑧リフォーム内容決定(リフォーム契約): 急ぐ場合は、リフォームの内容を詰め、家の引渡しが終わってすぐにリフォーム工事を進めていきたいので、ローンが通れば、リフォーム会社と契約。

⑨物件の引渡し・残金支払い : ローン実行と同時に支払。工事開始は引渡しを受けてから。

⑩リフォーム工事の着工 : リフォーム会社と打合せし、どんなスケジュールでリフォームを進めてい行くかということをしっかりチェック。

⑪現場打合せをしながら進捗確認 : 現場に何度か足を運び、オーダー通りになっているか、進捗を確認することを勧める。出来上がったのを見てみたら、思っていたのと違うということもあるので、注意してみていくことが大事。

⑫完成・お引越し : 完成すれば引渡しを受け、引越しとなる。新生活スタート。実際住んでみると、不具合がある場合もあるので、遠慮せずに言う方が良い。リフォーム会社は今後長い付き合いになるので、いろんなことを相談することを勧める。

1.4 入居前にしておきたいリフォーム

入居前にしておきたいリフォームとしては、生活に関係してくるところである。水回りや床、電気系統なども壁の中で工事をするため、先にしておいた方がいい。入居後でも大丈夫なリフォームとしては、外周部分である。外壁は実は難しいが、庭の部分や、カーポート、ベランダ物干しなどは、入居後でも可能。

1.5 まとめ

相場やローンの話などは、インターネットなどの情報で調べたりはできるが、実際話を聞くことで、予算の組み方とかスケジュール感、どんな家を探したらいいのかなど具体的に聞けるという意味でとても大事。大体の不動産の営業の方は、しっかり話をしてもらえるので、住宅購入を検討の場合は、一度、相談してみることをお勧めする。

 

2 『中古住宅購入』、『リフォーム』に使える支援制度の話

2.1 京都市の支援制度(京都安心すまい応援金)

●発表者:京都市住宅供給公社 京(みやこ)安心すまいセンター
●子育て世帯の既存住宅取得を応援する「京都安心すまい応援金」制度の説明については、こちら

2.2 京都市の支援制度「耐震補助金 まちの匠ぷらす」京安心すまいセンター

●発表者:京都市住宅供給公社 京(みやこ)安心すまいセンター
●京町家・木造住宅の耐震・防火改修支援事業についての説明は、こちら

2.3 京都市の支援制度「省エネ補助金 既存住宅の断熱改修等補助」

●発表者:株式会社イー・コンザル 京都市脱炭素先行地域づくり事業補助金事務局
●既存住宅の断熱改修等補助についての説明は、こちら

 

2部 相談会

 

1 相談分野

①資金計画(相談員:京都府不動産コンサルティング協会)
②住宅ローン(相談員:住宅金融支援機構 近畿支店)
③省エネ補助(相談員:株式会社イー・コンザル)
④京都安心すまい応援金(相談員:京安心すまいセンター)
⑤耐震補助(相談員:京安心すまいセンター)

2 参加者

14組(資金計画 3組、住宅ローン 3組、省エネ補助 3組、京都安心すまい応援金 1組、耐震補助 4組)

 

 

対象イベント【セミナー】住宅にまつわるお金の話セミナー・相談会~中古住宅購入+リフォーム編~【終了】
登録者京安心すまいセンター
最終更新日2025-01-06 18:29:20
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