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京都のくらし・昔の知恵~京の春のすまい方④桜餅基礎知識

【桜餅】


 花見のころの和菓子といえば、「桜餅」が頭に浮かびます。
 京都では蒸しあげた餅米の一種である道明寺(どうみょうじ)粉でこし餡を包み、塩漬けの桜の葉を巻いた「道明寺桜餅」ですが、東京では、薄く焼いた小麦粉の皮を2つに折ってこし餡を挟み、塩漬けした桜葉で包んだ「長命寺(ちょうめいじ)桜餅」です。
 どちらも江戸時代に考案されたもので、それぞれ次のような歴史があります。

 博物学者の南方熊楠(みなかたくまぐす)によれば、桜餅は江戸初期の天和3年(1683)京都に存在すると述べています。
 また、江戸中期の大田南畝(おおたなんぽ)の随筆『一話一言』に、京御菓子司「桔梗屋」がでてきますが、その店の菓子目録の中に桜餅が載せられています。
 桔梗屋は、京の都と伏見をつなぐ本町街道沿いの菓子屋で、当時、その辺りは伏見稲荷の参拝客で賑わっていました。
 明暦3年(1657)に起こった振袖火事の頃から京菓子司の江戸進出が始まり、桔梗屋も桜餅とともにそれに追随したと思われるため、桜餅の発祥は京都だと考えられます。

 江戸では天保年間(1830~44)の頃、向島の隅田川沿いの堤が桜の名所になり、この堤に近い所に長命寺がありました。
 享保2年(1717)、桜並木の落葉掃除に追われたこの寺の門番の山本新六が桜餅を考案したといわれています。
 初めは桜葉の醤油漬けを思い付き、売り出したもののすぐに飽きられてしまい、その後、塩漬けした桜葉で包んだものを考案し、これがたちまち花見に訪れた人々に知れ渡って、江戸名物の一つとなりました。
 これが江戸の桜餅の起源とされ、現在も子孫が長命寺門前で「山本や」という店で桜餅を作っています。
 当時の浮世絵や川柳にも桜餅が扱われており、昔から庶民になじみ深い菓子として知られています。

登録者 京安心すまいセンター
最終更新日 2015-04-20 11:44:24