省エネ住宅の基準と種類

省エネ住宅とは

それぞれの地域環境に合わせて,家屋の断熱や日射遮蔽の性能を高め,エネルギー効率の良い設備機器を使用することで,光熱費を抑えて,夏は涼しく,冬は暖かく快適に過ごせるすまいのことです。

このような省エネ住宅の基本となるのは,国土交通省が定めた「建築物省エネ法」です。この法律は1980年に制定された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」通称「省エネ法」から分化して2015年7月に制定されました。

現在,「建築物省エネ法」では,一定規模(床面積300㎡)以上の建築物を新築・増改築する場合,省エネ基準に適合しているかどうか所管行政庁の判定を受けたり,所管行政庁へ届け出たりする必要があります。

省エネ性能の評価基準

「建築物省エネ法」では,省エネ性能を次の2つの基準を用いて評価します。

① 窓や外壁,床などの断熱性能に対する評価

省エネ基準で最も重視されるのは,断熱性能です。断熱性能が高いほど,夏であれば暑さを遮ることで冷房効率があがり,冬であれば寒さを遮ることで暖房効率があがります。

② 設備機器などの一次エネルギー消費量に対する評価

冷暖房や給湯,照明などに使用する電気やガスなど「二次エネルギー」の使用量を,それを生産するための化石燃料(石油・石炭)や核燃料,水力・太陽光など一次エネルギーの消費量に換算して比較するものです。太陽光発電設備やエネファームなどを設置してエネルギーを創出した場合は,消費量から引くことで評価されます。

省エネ住宅の種類

省エネ基準を満たした住宅はエネルギー消費量が少ないだけでなく,居室内の快適さが向上し,住んでいる人の健康維持・増進にも寄与します。このような省エネ住宅の種類としては,「低炭素住宅」「ZEH(ゼッチ)」「長期優良住宅」「LCCM住宅」「性能向上計画認定住宅」「パッシブハウス」などが挙げられ,この中には,税制面の優遇や補助金などによる支援が受けられるものがあります。

もっと知りたい基礎知識

省エネ住宅の魅力

実際の省エネ住宅での暮らしは,どのようなものになるのでしょうか。

まず,断熱性能が高いので,冷暖房機器の使用を減らすことができ,光熱費が安くなります。
また,省エネ住宅では住宅内部での温度差が少なくなるため,たとえば冬ならヒートショック,夏なら熱中症などが起こりにくくなります。また,外気温と室内温の差によって発生する結露が抑えられるため,シックハウス症候群など健康被害の原因となるカビが発生しにくくなります。

出費を抑えて,快適で健康的な暮らしができるのが,省エネ住宅の魅力といえるでしょう。

登録者京安心すまいセンター
最終更新日2022-03-07 15:59:09
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