【連載】中古住宅で快適くらし in 京都

京都の中古住宅で快適に楽しく住まうために必要な実践知識と特徴のある中古住宅での暮らし方を連載します。

第3回は、活用事例②でご紹介した「木造賃貸アパートメント『京都小箱』」の入居者にお話をうかがいました。

 

第3回 活用事例② 農園付き木造賃貸アパートメント「京都小箱」
~ 大満足! 京都市内で畑仕事ができ、かつ交通の便が抜群! ~

  

Q 京都小箱に転居するまでの経緯を教えてください。

元々「京都小箱」の近所の借家に住んでいました。
その家も、古いけれど広くて条件的には良い物件だったのですが、どこか違うなと感じていました。
古い物件なので、修繕したいと思っても、借家なのでコストをかけるのが難しく、そこまで手をかけたいと思える家ではなかったので、転居を考えていました。

「京都小箱」は、前の家の近所ということで、工事をやっているのを見て気になっていました。
私は、インターネットで物件を検索するのが大好きで、検索している中でこの「京都小箱」を見つけて、内覧時に他の人に決まってしまいました。
残念でしたが、この物件は、畑付きでメゾネットという良い意味で “個性的” な物件なので、合わない人もいそうだし、1年住んで退去する人がいるんじゃないかと思い、空きが出るのを待っていたところ、空きが出たので直ぐに連絡をして契約しました。

 

Q 「京都小箱」に決めた理由は何ですか。

元々畑には興味があり、京都市の貸農園などを調べていました。
なかなかピンとくる物件がなかったですが、ここは畑もあり、部屋も十分な広さがあって、立地も駅近、また近所に住んでいたので引っ越しも楽という条件を満たしました。
私は、立地が市内中心部ではなく、“個性的” な物件が好きなので、畑付きで、しかも京都市街まで地下鉄で6分くらいの物件はちょうど良かったです。

 

Q 物件を探す際のキーワードは何でしたか。 

「リノベ」で検索すると、元の魅力を感じることができないほどいじりすぎた物件や、過剰にデザインされた物件が多い印象です。
それは私の思う魅力をもつ「リノベ物件」 とは違うので、そういったものではなく、少しだけリノベされている物件が出てくるように、「改装自由」とか、「水回り改装済み」で検索しました。

 

Q 職場のある市内中心部ではなく山科区を選んだ理由は何ですか。 

今は京都市街で働いていますが、前職の勤務地は滋賀でしたので、交通の便を考えて山科にしました。
山科は大阪までもJRで乗り換えなし、京都駅にも近いので遠方にも行きやすく、京都市街までも地下鉄で直ぐなので交通の便がすごく良いです。
家賃と物価が若干安いのも一つのメリットですね。
また、私は京都府南部出身なので、街中よりのどかな雰囲気ののこる山科が住みやすいと感じたのかもしれません。

 

Q 住んでみての魅力は。

私は、市内で借家をいくつか転々としましたが、この物件が今までの家のなかで一番気に入っています。
自分の感覚に合うし、畑もあるし。
大家さんがタケノコを掘って住民に配ってくれることもあります。

「京都小箱」はきれいにリノベされていますが、大家さんに “ここ塗りたいです” といったら、ペンキの塗り直しもさせてもらえます。
大家さんとコミュニケーションが気軽に取れるのもよかったです。

また、入居者が使用できる集会所があるのも魅力的です。
集会所は、予約すれば自由に使えます。

そしてこの物件は、洗濯機、IHコンロなどを備えていることも特徴の一つです。
今までの賃貸住宅では備え付のエアコンの説明書すらもらったことがないですが、ここに入居する際に、備え付家電などの取り扱い説明書、周辺の地図などが入ったバインダーを1冊もらいました。
普通の賃貸とは違うサービス精神があって、ちゃんと管理してくれる安心感を持ちました。

 

 

 

Q 畑仕事はどうですか。

いままで簡単な家庭菜園の経験はありましたが、本格的にやったのは初めてです。
市の菜園を借りても大抵は家から遠いので、わざわざ車でいかないといけませんが、ここは寝巻きのままでも行ける距離にあるので、“しそがないから摘んでくる” という感じで暮らしに畑が直接つながっていて便利です。
また、入居した年にコロナが始まりましたが、畑作業をすることで精神的にすごく支えられました。

ちなみに、住民が畑をするかどうかは自由なのですが、畑で会ったら挨拶したり、適度なコミュニケーションが生まれていると思います。

 

 

 

Q 「京都小箱」のなかで一番お気に入りの場所はどこですか。

畑はもちろんですが、自分の部屋の2階の窓から反対側の山まで抜けて山科の中心が見渡せるので、それが一番お気に入りの場所です。

 

 

Q 築古物件の魅力を伝えるには。 

悪いところをあえて隠さない言い方をして欲しいです。
欠点も良いものとして表現すると物件の魅力が広く伝わると思います。

例えば、古くても「レトロな感覚」、「昭和初期のモダンな感じ」、「今この扉を探そうと思っても探せない」とか、どんな人がこういうことが好きなのか、フックを探すのがポイントで面白いところだと思います。
「ベランダで、気持ちよくビールが飲めます」という一言コメントでも、自分がその家に住んだときのイメージができます。
「京都小箱」を見つけたサイトでも、「ペット可能で、畑があって、住民で取った野菜をシェアしてみてはどうですか?」など、ここでどんな暮らしが出きるのかがイメージできる紹介がされていました。
建物の魅力をもつ古い物件だからこそできる紹介だと思います。

 

Q こんな付加価値が付いている賃貸住宅があれば良いと思うことはないですか。

家以外で使えるもう一つの余剰スペースがあれば良いかと思います。
例えば、DIYができる作業場があったり、自由に使える屋上があったり。
古い物件には屋上のあるところが結構多くて、安全性の問題で使えなくなったかもしれないですが、屋上にテーブルがあって自由に使うことができれば、良いコミュニティースペースになるんじゃないかなと思います。
自由に使える屋上でビアガーデンをしたり、ワイヤレスイヤホンで、みんなで映画を見るなど、あまり場所の使い方を決めずに、入居者が自由に使える空間があれば楽しそうです。

 

【取材を終えて】

住み続けたい賃貸住宅に出会えることはなかなか難しいと思います。
私たちが取材した「京都小箱」の入居者は、自分の感覚に合う物件にようやく出会って幸せに暮らしている気がしました。

そして、家でも会社でもない「畑」や「集会所」という「第3の場所」が家の傍にあり、かつ自由に使えることがここの一番のメリットではないかと感じました。
あるもの、あるスペースを入居者が自由に使えるように、時間やスペース、使い方などに余裕を持たせることで、より有効に使われ、入居者の暮らしを豊かにするのではないかと思います。

 

(取材:京安心すまいセンター)

 

 

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登録者京安心すまいセンター
最終更新日2024-10-24 9:00:45
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