【連載】中古住宅で快適くらし in 京都

 京都の中古住宅で快適で楽しく住まうために必要な実践知識と特徴のある中古住宅での暮らし方を連載します。第1回は、実践知識①「なぜ中古に注目?」です。

第1回 実践知識① なぜ中古に注目?

 最近、ニュースや新聞のなかで、中古住宅(既存住宅)の流通促進、ストック活用といった言葉を聞く機会が増えています。京都市では、令和3年9月に策定した新たな「京都市住宅マスタープラン」において、持続可能な都市の構築に向けた主な住宅施策の一つとして「既存住宅の利活用の促進」を示しています。つまり、中古住宅を安心でより購入しやすい環境をつくることを目指しています。ではなぜ、中古住宅なのか、その理由を考えてみたいと思います。

もったいない! 日本の住宅寿命は、わずか30年

日本の住宅寿命は、わずかの約30年と言われています。イギリス141年、アメリカ103年、フランス86年、ドイツ79年に比べると、はるかに短いです。日本の住宅寿命が短い理由については、戦後、質より量を優先して住宅が供給されたため、ヨーロッパ諸国のように100年も200年も住める家を建てて次の世代にも住んでもらうという発想がなかったそうです。さらに日本は、湿気がこもりやすくて住宅が傷みやすいが、長く住み続けるためにこまめにメンテンナンスする慣習があまりなく、「作って壊す」ことを繰り返した結果であることが指摘されています。
しかし実際には、京町家のように築100年以上住み継がれている家もあり、国土交通省が示した期待耐用年数※1によると「フラット35基準程度で50年~60年、劣化対策等級3で75年~90年、長期優良住宅認定であれば100年超」とされています※2。また、鉄骨造も鉄筋コンクリート造も、適切にメンテナンスすれば60年以上、場合によっては100年超えて維持できるそうです。つまり日本には、まだまだ住まいとして使える状態にも関わらず、壊されている中古住宅が多くあると言えます。

※1 期待耐用年数 : 維持管理により支障なく機能を発揮すると期待できる部材やシステムの耐用年数
※2 国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」(12~13、19ページ参照)

家が余っている! フロー時代からストックの時代へ

日本は、世界的にも少子高齢化が進んでいる国としても知られています。人口が急速に減っているなか、人が住めない空き家も増えつつあり、まち自体が衰退する問題が社会的な課題としてあげられています。我々が住んでいる京都市には、平成 30 年時点で、約 106,000 戸の空き家(空き家率は 12.9%)が存在しており、約8戸のうち1戸が空き家です。
こういう時代の変化に合わせて、国は、2006年に今までの住生活に係る政策を大きく転換した「住政策基本法」を制定し、その法律に基づき策定した「住生活基本計画(全国計画)において「いいものを作ってきちんと手入れして長く大切に使う」といったストック重視社会への転換を目指しています。もう「住むなら新築」という、作って壊すフローの時代は終わっているようです。

 

ストックの時代にもう一つの暮らし方! 中古住宅に住まう

まだまだ使える空き家もいっぱいあるなかで、新築より手ごろな価格で中古住宅を購入して住むという選択肢は、京都市内に居住できる一つのチャンスになれるかもしれません。実際に、近畿レインズの2022年4月中古マンションの成約㎡単価が50万円に比べて、(株)マーキュリーリアルテックイノベーターが調査した2022年京都市内の新築マンション相場は97万円/㎡で、約2倍の価格差があります。
また中古住宅の場合、学校や公園などのインフラが既に整備されており、新築より安い分広い住宅を購入することができるので、子育て世帯にも良い住宅購入のチャンスになると思われます。さらに、中古住宅を購入して家族の特徴やニーズに合わせてリフォームすることで、自分らしい世界に一つの家を所有することも出来ます。最近、国や京都市でも、空き家を含めて中古住宅の取得を容易にするため様々な支援策に取り組んでいるので、これからより買いやすくなるかもしれません。

 

 

※上記の写真は、省エネ化リフォーム工事の事例です。
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登録者京安心すまいセンター
最終更新日2022-05-24 10:24:31
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